ロレックスを安く買い、高く売って儲けたい…。
とはいえ、これから値上がりするロレックスの見極めなんて、素人には難しいですよね。
そこで、今回は大黒屋きっての時計通 査定員、瀧正貴に、どんなロレックスが値上がりしやすいのか、統計的な視点で検証してもらいました。
瀧いわく、ロレックス通には値上がりを予想する独自の法則があるのだそう。
「私が独自で編み出した、値上がりするロレックスを予想する方法がありますよ…」
― ロレックスって、すべて高く売れるわけではないのですか?
はい。ロレックスのすべてが高額で売れるわけではありません。
ほとんどが購入時の金額より下回ってしまいます。
購入時よりも値の上がるモデルは、ほんのごくわずかなのです。
― ズバリ、値上がりするロレックスモデルを教えてください
簡単にはわかりません。
わかるなら、みんなそのモデルを購入していますよね(笑)。
ただし、今回は特別に私が高確率で値上がりすると思われるモデルをご紹介しましょう。
2014~2017年にかけて発売されているロレックスのスポーツモデル、シードゥエラー4000です。
― なぜシードゥエラー4000が値上がりするとわかるのですか?
数が少ないロレックスは値上がりする確率が高いからです。
シードゥエラー4000は、以下の要素から、数が少ないと判断できます。
― 生産数や廃盤情報はロレックスから発表があるのですか?
いいえ。
ロレックスはそういったデータが完全非公開なのです。
何本作られているのかもわかりませし、廃盤のタイミングも不明です。
ただし、直営店の店員さんと親しくなっておけば、「●●というモデルは今後入荷しない」というような情報はもらえることがあります。
そうすると「●●はまもなく廃盤するのだな」という予測はできますよね。
(直営店の常連になるまでが大変ですが・・・。いいお得意さんにならないと)
また、スイス時計の新作発表会であるバーゼルフェアから、今後の廃盤モデルを予想することもあります。
シードゥエラー4000は、今年(2017年)3月のバーゼルフェアで後継モデルの発表がありませんでした。
そこから私は、「シードゥエラー4000は廃盤になる」と判断しました。
― シードゥエラー4000の生産数が少ないというのは、どのように予測したのですか?
フフフ、それは私が独自に考えた方法があるんですよ!
今回は、シードゥエラー4000の数を以下の方法で予想してみましょう。
1年間に生産されるロレックスの数を予想
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スポーツモデルの生産数を予測
↓
シードゥエラー4000の生産数を予測
↓
これまでに生産されたシードゥエラー4000の合計生産数を予測
↓
日本に入ってくるシードゥエラー4000を予測
― ロレックスの生産本数は、どのように調べればいいのでしょう?
すでにお話しした通り、ロレックスは生産数を公表していません。
しかし、どの程度のロレックスが生産されたのかを予測することはできます。
私は、COSC(コスク)のクロノメーター検定試験を受けた時計の数から予想しているのです。
― COSCのクロノメーター検定試験とは?
COSC(コスク)はスイスにある時計専門の検定機関です。
そこでは、クロノメーター時計の検定試験が行われていて、作られた時計が正確かどうかをテストしています。
クロノメーター検定試験は、5つの姿勢と3つの温度差で360時間の計測を行い、「誤差がマイナス4秒からプラス6秒以内なら合格」という非常に厳しいもの。
この試験をパスした時計は「優れた時計」というお墨付きが与えられます。
― ロレックスもこの試験を受けているのですか?
はい。
ロレックスはすべてこの試験を受けています。
そして、ほとんどがこの試験をパスしているのです。
COSCは毎年検定試験をパスした時計の数を公表しています。
たとえば、2015年に検定をクリアした時計は140万本。
私の予想では、この試験を通過したうちの半数がロレックスだと思うのです。
つまり、ロレックスは半数の70万本と予想することができます。
1年間に作られるロレックスの総数は、70万本ということで話を進めましょう。
ロレックスの時計は、大きく分けると、スポーツモデルとドレスラインの2種に分かれます。
私の予想では、そのうちスポーツラインは3~4割程度くらいです。
つまり、ロレックスの総数が70万本なので、どんなに多くてもスポーツラインが35万本、ドレスラインが35万本となりますね。
シードゥエラー4000はスポーツモデルの35万本に含まれます。
ロレックスのスポーツモデルは15種類(エクスプローラー、デイトナなど)。
スポーツモデル35万本 ÷ 15種類 = 2万3333本
1種類あたりの1年間の生産数は、多くても2万3000本くらいという計算になりますね。
よって、1年間に生産されるシードゥエラー4000は、2万3000本と予測しましょう。
シードゥエラー4000は、2014~2017年にかけて発売されました。
年内中に廃盤するという情報を得ているので、これ以上は生産されません。
つまり、3年間生産されたので、
2万3000本 × 3年間 = およそ7万本
全世界に現存するシードゥエラーの数は、およそ7万本ということになります。
シードゥエラー4000には、さらに数が少ないと思われる理由があります。
シードゥエラー4000には、専用のパーツが使われているため、生産数が限られるのです。
通常、ロレックスではモデルが違っても同じパーツを使います。
たとえば、サブマリーナは、サブマリーナデイトやヨットマスターと同じパーツを使用しているのです。
他モデルとパーツが共有されているモデルは、廃盤が決まってもいきなりは生産が止まりません。
しかし、専用パーツを使うモデルは、廃盤が決まった時点ですぐに生産を抑制しないと、パーツが余ってしまいます。
その結果、専用パーツを使用するモデルは、数が少なくなると予想できるのです。
私の予想では、シードゥエラー4000は7万本どころか、5万本程度ではないかと思っています。
世界にあるシードゥエラー4000の数が全部で5万本。
そのうち、日本に入ってくる本数は、多くても数千本程度だと思います。
それでは、この数千本のシードゥエラー4000を狙っている人数はどれくらいでしょうか?
今度は、日本にいるロレックスファンを予想してみましょう。
「日本のお金持ち=ロレックスが好き」と考えていいと思います。
これは断言します(笑)。
お金持ちの定義は難しいですが、ここでは総資産1億円以上としておきましょう。
1億円以上の人は日本国民のうちおよそ1.8%。
その半分の0.9%が男性、さらにその半分のおよそ0.4%がロレックス好きとします。
日本の人口の0.4%、およそ50万人がロレックスを狙っている・・・。
つまり、50万人が数千本のシードゥエラー4000を巡り、椅子取りゲームのような争奪戦を繰り広げていることになります。
ただでさえ本数の少ないシードゥエラー4000が、「廃盤になる」という予測ができると、あっという間に値上がりすると考えられますね。
― ロレックスの相場の予想は、素人には難しいのでしょうか?
今回のシードゥエラー4000のように、「廃盤になりそう」というウワサがあれば、ある程度の予測は可能だと思います。
供給量がいきなり増えることはありませんし、買い手が殺到すれば相場は上がります。
スパーンと短期間でなくなってしまうモデル・・・だいたい5年以内で廃盤になるモデルが最高です。
手に入らないとなると、余計欲しくなってしまうのが時計マニアですから(笑)
― 値上がりしそうなロレックス、いつ手に入れればいいでしょうか?
廃盤になるとわかったら、すぐ行動しいたほうがいいですね。
私も今回のシードゥエラー4000はバーゼルフェアの発表後(2017年3月)すぐに探し回り、中古を92万円でゲットしました。
その時すでに値段は上がり始めていたのですが、現在(2017年6月)は95~100万円で取引されています。
もっとも安い時で86~87万円でしたから、私が動いたのも遅いほうだったんですよ。
とにかく初動が大事です!
― ちなみに、シードゥエラー4000以外のスポーツモデルはどうですか?
長く作られているモデルはダメですね。
現在も生産が続いているロレックスで、人気があって売れているものは、供給過多になるので、値上がりするようなことはありません。
― 瀧さんのようなコアなファンは、いつもモデルの本数を予想しているのですか?
はい、私は常に予想してます!
私は今回紹介したような方法で長年値上がり予想をしてきましたが、大きく外れたことはありませんね。
ロレックスを手に入れたい人は、見た目のカッコよさで選ぶのもアリですが、将来的な価値で選ぶのもオススメです。
これからどんどん値が上がっていくと思うと、かえって愛着が湧いてくるかもしれませんよ。
いかがでしたか?これから値段が上がるロレックスが計算でわかるなんて驚きでしたね。
値段が上がる理由を知っていれば、あなたもロレックスの目利きに一歩近づけるかも?
今回の記事を読んで、値上がるロレックスについてもっと知りたいという人は、お気軽に大黒屋へご相談ください!