大黒屋の査定員による座談会
今回の大黒屋座談会のテーマはズバリ、
「セレブなお客様がロレックスを手放すとき」。
開業医や地主、経営者などのセレブリティなお客様にとって、ロレックスは普段使いのアイテム。
ひとつどころか、たくさんのロレックスをコレクションする方も多いです。
セレブのお客様を接客していると、普段私たちが知りえないセレブの生活の一端が垣間みえます。
今回の座談会に参加した大黒屋の査定員はこちら。
中村:経験豊富なベテラン査定員。「初心忘るべからず」の生真面目な性格。
富永:自他共に認める無類の時計好き。
自分の猫背がコンプレックス。
宮崎:物腰柔らかな対応で男女問わずファンが多い癒し系査定員。
ただし後輩社員への指導は厳しい。
堀井:リサイクルショップでのバイト経験あり。
どんな品物でも対応できる万能査定員。陽気なイジられキャラ。
中村: うん。ロレックスを売りにいらっしゃるお客様の多くは、「壊れたけど、修理するにはお金がかかるから(※)」とか「無理して買ったけど、お金が必要になったから」みたいな理由が多いけれど・・・。
宮崎:セレブの場合、「ロレックスを買いすぎて、奥さんに怒られたから!」ですもんね。もう、うらやましいを通り越してなんというか・・・。
富永:私たちからしたら背伸びして買うロレックスも、 セレブにとってはちょっとした買い物のひとつ。
(※)ロレックスの修理は最低でも5万円ほど。
富永:まずセレブのお客様のなかには、株や不動産のようにロレックスを投資目的で売買される方がいらっしゃるよね。
宮崎:投資派のお客様ですね。
【お客様ファイル①】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 男性 |
年齢 | 50代 |
職業 | 開業医 |
買取したお品 | デイトナ |
色 | シルバー |
購入時の金額 | 120万円 |
購入した時期 | 5年前? |
買取金額 | 150万円 |
中村:お医者さんで投資派のお客様を担当したことがあります。デイトナの値が上がってきたからと、大黒屋へお持ちになった。おおらかで器の大きそうな雰囲気の方。
堀井:投資目的でロレックスを購入されるお客様にも、いろいろな方がいらっしゃいますよね。本当にロレックスがお好きで、時計の機能や歴史に惚れ込んでいらっしゃる方もいれば、 純粋に投機対象として考えている方も。
中村:この方はどちらかというと、投機対象として時計をみているお客様かな。価値のある時計を購入して、値上がりしたら売る。
富永:しかし、ロレックスも株や不動産と同じで、儲けるのは簡単じゃないわよね。ロレックスで儲けられるなんて、ほんの一部のお客様だけ。
宮崎:時計に関する相当の知識や市場価格を知らないと難しいよね。
富永:もちろん財力も必要。
中村:このお客様の場合、120万円で購入されたロレックスを180万円でお買取させていただきました。
堀井:さすがですね。きちんと利益を出している・・・
中村:ステップアップ派というのはつまり・・・高級ブランド時計のなかには、ロレックスより価格面や希少性の高さでグレードの高い時計があるよね。
たとえばパテックフィリップ(以下、パテック)、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンなどの世界三大時計とか。
富永:パテックなんて、平気で1,000万円以上するからね。ロレックスとはケタが違う。
中村:そう、さすがに高すぎる。だから、ステップアップ派のお客様はロレックスより上位の時計を購入するために、ロレックスを売却されるんです。
富永:たしかに「もっといい時計をしたい」というステップアップのためのロレックス売却は、セレブのお客様に多いよね。
【お客様ファイル②】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 男性 |
年齢 | 30代後半 |
職業 | 会社役員 |
買取したお品 | サブマリーナ |
色 | 黒 |
購入時の金額 | 40万円? |
購入した時期 | 不明 |
買取金額 | 50万円 |
堀井:私も担当しましたね。オシャレでさわやかな雰囲気のお客様。今どきの雰囲気だったので、IT関連企業の経営者の方かな。サブマリーナをお持ちになって。
富永:サブマリーナ!?十分ステップアップしていると思うけれど・・・。
中村:たしかにサブマリーナは、ロレックスのなかで中堅モデル。決して庶民的ではない。
宮崎:さらに上を目指したいのでしょう、ステップアップ派のお客様は。
富永:サブマリーナの次はなにを狙っているの?
堀井:次はランゲ&ゾーネを狙っているそうです
富永:ランゲ&ゾーネ!素晴らしいですね。
宮崎:たしかにステップアップですね。
富永:セレブのお客様の場合、外商さんに勧められて購入されるケースも多いよね。
宮崎:外商さんって、高級デパートからセレブのお宅へうかがって商品を売る人たちのことですよね。
富永:そうそう、経営者の方はその外商さんからロレックスを購入されることが多いのよね。
中村:外商さんに勧められて、とりあえず付き合いでロレックスを買ったけれど、飽きたり、いらなくなったりで売るに来られるお客様も多いです。
【お客様ファイル③】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 女性 |
年齢 | 30代 |
職業 | 社長夫人? |
買取したお品 | デイトナレパード |
色 | ステンレスとイエローゴールドのコンビ |
購入時の金額 | 700万円 |
購入した時期 | 不明 |
買取金額 | 400万円 |
富永:クロコダイル(ワニ革)のバーキン(バーキンのなかでもっとも高いバーキン)をお持ちのスレンダーな美人のお客様でした。おそらく社長夫人。デイトナレパードを売りにいらっしゃった。
宮崎:デイトナレパードといえば、ヒョウ柄で宝石がついているあのロレックスですよね!時計というよりジュエリーのようなロレックス!
富永:実はね、そのお客様はスギちゃんが付けているのをテレビでご覧になって、興ざめして売りに来たっておっしゃって。
中村:なっ、なるほど・・・。
堀井:デイトナレパードは見た目も派手だけど、値段も派手ですよね。
富永:外商さんに勧められてなんとなく買ってしまったとおっしゃってたけど、700万円ですって!
宮崎:なんとなく700万円も出せちゃうのがスゴイ・・・。ウチ(大黒屋)はいくらで買い取ったんですか?
富永:400万円で買い取らせていただいた。こういう高級時計はどうしても買取率が悪くなっちゃうよね。申し訳ないけれど・・・
中村:外商に勧められてロレックスをたくさんお持ちのお客様もいらっしゃるよね。
【お客様ファイル④】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 男性 |
年齢 | 40代 |
職業 | 経営者 |
買取したお品 | デイトナ |
色 | ゴールド |
購入時の金額 | 400万円 |
購入した時期 | 3年前 |
買取金額 | 250万円 |
堀井:お付き合いで購入されたロレックスをたくさんお持ちの社長さんがいましたね。
すごくオシャレで、柄ものシャツにアクセサリーを身につけられていました。複数の飲食店を経営されている社長さんですかね。
富永:何を売りにいらしたの?
堀井:ゴールドのデイトナです。よくお似合いでしたね。ベンツ購入資金のため売却だそうで。
富永:時計好きなお客様の場合、お持ちの時計を売却して、新しい時計をお買い求めになるケースが多いけど、多趣味なお客様は車とかヨットとかに変わることもあるものね。
中村:そうそう、僕らよりよくご存じだから、勉強させていただくこともしばしば。
【お客様ファイル⑤】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 男性 |
年齢 | 40代後半 |
職業 | 会社経営 |
買取したお品 | デイトナ |
色 | 黒 |
購入時の金額 | 120万円 |
購入した時期 | 5年前? |
買取金額 | 130万円 |
宮崎:先日、相当なロレックスマニアのお客様がデイトナを売りにいらっしゃいましたよ。ロレックスだけでも10本所有しているとおっしゃっていました。会社を経営されている方です。
富永:別の時計を購入するための売却?
宮崎:それが、時計にお金をかけすぎたせいで奥様に怒られてしまい、やむなく売ると。120万円で購入されたデイトナを130万円で買い取らせていただきました。
堀井:「そんな高い時計を買うぐらいなら海外旅行に連れて行ってよ!」と奥様にとがめられたみたいな話はよくうかがいますよね。
富永:ハワイでも行くのかしら?
堀井:ロレックスを売ったら、豪華な海外旅行に行けますよね。
【お客様ファイル⑥】
お客様の名前 | ××さん |
---|---|
性別 | 男性 |
年齢 | 50代 |
職業 | 経営者 |
買取したお品 | サブマリーナ |
色 | 黒 |
購入時の金額 | 50万円 |
購入した時期 | 10年前? |
買取金額 | 53万円 |
中村:不動産関係の経営者のお客様にそんな方がいらした。時計以外にはまったく興味がなく、ロレックスをはじめとした高級時計を20個ほどお持ちで、ご自宅に並べて楽しんでいらっしゃると。時計を付けたことはほとんどなく、もっぱらコレクションするだけだそうで。
宮崎:超愛好家のお客様の場合、ロレックス投資はしないんですか?
中村:ロレックスコレクターでかつロレックス投資家のお客様もいらっしゃるけど、このお客様は違ったね。投資には興味がなく、ひたすら集めるのがお好き。同じロレックスモデルで型番も同じものを、文字盤の違いを楽しむためだけに2つ所有しているというようなお客様だから。
堀井:それは正真正銘のコレクターですね。
中村:その方が、サブマリーナを売りにいらした理由がまたスゴイ。
宮崎:どういう理由ですか?
中村:他のロレックスのオーバーホールをしたいから、その資金のために売りにいらっしゃったと。
※オーバーホールとは?
精密機械のメンテナンスのひとつで、機械をすべて分解して、組み立てなおす作業のこと。ロレックスのような有名ブランド時計は、正規店かオーバーホール専門店で行う必要がある。費用は高額だが、オーバーホールをした時計には証明書が発行される。
富永:オーバーホールって1本10万円はかかるものね。
宮崎:でも、普段はほとんど使用してない時計ですよね。それをオーバーホールするなんて、本当に時計を愛しているんですね。
富永:たしかにロレックスは5年に1度のオーバーホールが必要といわれている。でも実際に壊れてもいないロレックスをオーバーホールするのは、本当に時計のことをよくわかっている方だけ。
中村:しかもオーバーホールをする本数がすごい。全部で5本。
堀井:ええ!?オーバーホール費用が50万円ってことですか?まさにロレックスが1本買えてしまう金額・・・。
中村:買い替えのためにお売りになるお客様が多いなか、オーバーホールのために時計を売却される方は本当に珍しいよね。
宮崎:あらためて振り返ると、お金持ちの方がロレックスを売りに来られる理由って、想像の範囲を超えていますよね。
富永:たしかに、パーンと売る感じがやはり庶民とは違う。
堀井:投資でも、ステップアップでも、コレクターでも、余っていて邪魔なロレックスでも(笑)、大黒屋にご相談いただけるとうれしいですよね。
中村:うん。売却するかどうか迷っていらっしゃる方、高く売りたいけど売るタイミングを見極めている方、ほかのロレックスを買いたい方、ちょっとロレックスについて語りたくなった方などなど、買取以外のご相談でもお気軽にご相談ください!