入手困難!ヨットマスター新作を大黒屋の査定員が本気でレビューしてみた
発表されたばかりの新作時計の評価、過去モデルと異なる点、実際に着けてみた感想、マイナス点などなど、目利きの視点で語り尽くします。
話し手は、大黒屋社内でも時計好きとして一目置かれ、プライベートでも時計を買いまくっている査定員の瀧正貴です。
今回ご紹介する新作時計は、
― ズバリ、ロレックス ヨットマスター 116622 ダークロジウムはどんな時計ですか?
今回のヨットマスターは、ものすごくカッコイイです!
基本的なつくりは、これまでのヨットマスターとまったく同じ。
ただし色遣いが大胆なのです。
まず水色の秒針が斬新です。
文字盤には新素材のダークロジウムが使用されて、そのメタリックカラーが独特の光沢を放っています!
デザインそのものは、ヨットマスター発表当時の1992年のまま。
色や素材を変えただけで、こんなにも雰囲気が変わるんだと驚きました。
ヨットマスター
ヨットやクルーザーを楽しむ富裕層向けに1992年に誕生したモデル。サブマリーナーよりも高級感を重視したモデルが多く、防水性は100mまで。立体的な回転ベゼルが特徴。
― 定価と時計としてのランクを教えてください
定価は118万8,000円です。
ヨットマスターは、リゾートでクルージングを楽しむ富裕層をイメージして作られた、ラグジュアリー感のある時計。
海で作業するための時計(サブマリーナなど)に対し、ラグジュアリーラインにあたります。
ヨットマスター 116622 ダークロジウムのここが魅力!
魅力1:水色の秒針と文字盤のモデル名
デザインに取り入れた「水色」はロレックス初!
― 秒針に水色を使ったのは、ロレックスでは初の試みなのですか?
ビビットな水色の秒針。
ロレックスではかなり大胆な色遣いです。
古臭くない、今どきの青色ですね。
基本的にロレックスの秒針はゴールド。
ヨットマスターで赤が使われることはありましたが、水色は初めてです。
文字盤に記されたモデル名も水色で、文字盤のアクセントになっています。
そもそもロレックスは、デザインに関して非常に保守的なブランドです。
50年もデザインを変えないメーカーですから。
これまで使わなかった色を取り入れるだけで、「攻めているな」という印象ですね。
他のブランドが同じように大胆な色遣いをしても、安っぽくなりますが、粋に見えてしまうのは、さすがロレックスです。
魅力2:ダークロジウムという新素材を採用
今までにないガンメタカラーの文字盤がかっこいい!
― モデル名になっているダークロジウムとは、そもそも何ですか?
ロジウムとは白っぽい輝きが特徴の金属で、時計の素材にはよく使われています。
ロジウム
プラチナに似た白銀色の金属。耐食性、耐摩耗性に優れ変色にしくいので、時計やアクセサリーなどの装飾品のメッキ素材としてよく利用される。
ダークロジウムは、ロジウム素材を元に、ロレックスが独自に作った新素材の金属です。
ダークロジウムは角度によって、黒にもシルバーにも見える独特の光沢のガンメタリック(黒光りしたグレーのメタリックカラー)が特徴ですね。
シルバーや黒の文字盤の時計と並べると、その違いが良くわかると思います。
左:文字盤シルバーのロレックス
右:新作ヨットマスター ダークロジウム シルバーと比べると独特の光沢があることがわかる
ダークロジウムは洗練されていて、ゴージャス感があります。
おそらくダークロジウムは、水色の秒針を映えさせるために開発された素材なのでしょう。
(あるいはダークロジウムに合わせて、水色の秒針が選ばれたか)
― 今回の新作のために、わざわざ新素材を開発したということですか?
そうです。
驚くかもしれませんが、ロレックスでは新素材を作るなんてお手のものなのです。
もちろん、新素材の開発・製造には、巨額の投資がされていると思いますし、製造過程(成分や配合率)は非公表。
しかし、後になって「実は最先端の技術が使われていた」と発覚することがあるんです。
この話だけで凄いメーカーということがおわかりいただけると思います。
ヨットマスター 116622 ダークロジウムの率直な感想
― ヨットマスター116622 ダークロジウムのデメリットを挙げるとしたら?
手に入りにくい点ですね。
ロレックスの正規販売店のお得意様になっていない限り、手に入らないでしょう。
さらに、「保守的なロレックスがここまで冒険をした」という理由だけで、プレミア感はグッと上がります。
中古市場においても、入手困難な時計の一つになるでしょう。
― ヨットマスター116622 ダークロジウム、どんなシーンに合うでしょうか?
カジュアル過ぎる服装に合わせると、安っぽく見えてしまうかもしれません。
スーツやフォーマル寄りのカジュアルに合わせたほうが、洗練されて見えるでしょう。
ちなみに、先日購入されたお客様は、浅黒なスポーツマンタイプの30代の経営者。
短髪でさわやかな雰囲気が、ヨットマスターにピッタリでしたね。
― あらためて、ヨットマスター 116622を総合評価すると?
デザイン | ★★★★4 | 大胆な水色の秒針が洗練された一品 |
---|---|---|
精度 | ★★★★★5 | 近ごろのロレックスはブレません |
装着感 | ★★★★★5 | Very good! さすがロレックス! |
コストパフォーマンス | ★★★3 | 100万円超えは安くない |
トレンド性 | ★★★★4 | これからもっと人気が出るはず・・・ |
バーゼルワールド2016年で、ロレックスから発表された新作はおよそ7本。
このなかでも、デイトナ116500LN、エアキング116900と並んで注目度の高い新作が、ヨットマスター116622ダークロジウムです。
実は、2015年のバーゼルワールドで、ロレックスの評判はイマイチでした。
ですから、2016年はファンを唸らせる新作を発表する必要があったんです。
そこで出されたのが、冒険心のつまったヨットマスター116622ダークロジウム。
保守的なロレックスファンからの評判も、おおむね好評のようです。
冒険と言っても、そんなにやりすぎ感はありませんから。
もちろんデザインだけでなく、機能性においても他の追随を許しません。
その魅力、ぜひあなたも堪能してみてください!
大黒屋より一言
ロレックスの伝統を踏襲しつつ、冒険心も併せ持ったヨットマスター 116622。
機能性、実用性だけでなく、ファッション性にも優れたすばらしい時計です。
ロレックスファンならぜひ手に入れたいですね。
「ヨットマスター 116622を売りたい!買いたいとい、実際に触れてみたい!」というお客様は、お気軽に大黒屋にご相談ください。