ロレックス投資に興味がある人にまず読んで欲しい価格上昇の5つの要因

査定士-瀧
ベテラン査定員 瀧
査定士-堀井
査定員 堀井

「ロレックスに投資なんかして儲かるの?」
「希少価値の高いロレックスのモデルを知りたい!」
「金の代わりの資産としてロレックスを考えているけれど、本当に資産になるのかな・・・」

ロレックスは純粋に身に着けたり、アンティークとして購入したりする方以外に、

投資目的でお買い求めになる方が非常に多い時計のひとつです。

しかし、投資目的という意味だと、ロレックスは金などの一般的な現物資産より難易度が上がるかもしれません。

こんにちは。
大黒屋でロレックスを査定し続け、いつの間にか公私ともにロレックスにどっぷりハマってしまった査定員の瀧正貴です。

自分でいうのもなんですが、ロレックスに関してはマニアといえるほどに詳しくなってしまいました。

この記事をご覧になっているということは、あなたもこれからロレックスの投資をはじめようとしているのだと思います。

もしくは、なんとなく「ロレックス投資って儲かるのかな?」と漠然としたイメージをお持ちなのかもしれませんね。

しかし、正直なところをいってしまうと、ロレックス投資はなかなか難しいものがあります。

百戦錬磨のプロたちがしのぎを削っている業界ですから、初心者が短期的に利益を上げるには難易度が高いんですね。

たとえば、ロレックス投資には最新のロレックス情報が欠かせません。

常にロレックスに関するアンテナを張り巡らせておく必要があります。

たとえば、大黒屋のロレックス買取サイトでは常に最新の買取価格表を掲載しています。

このようなページもひとつの情報収集先ですね。

でも、もしあなたが副業でロレックス投資を考えているのなら、リアルタイムで最新の情報を手に入れるのはインポッシブルですよね。

地球人がフリーザを追い払うぐらいの無理難題なはずです(笑)。

朝から晩まで本業をがんばって、夜遅くに帰宅して、それから情報収集なんて考えるだけで大変だと思います・・・。

では、プロ以外がロレックス投資で成功するのは100%不可能なのでしょうか?

いえ、100%不可能なら、今回この記事を書く意味がありません。

実は、ロレックス投資で短期的に成功する方法はなくとも、長期的に失敗しない方法ならあります。

ここが非常に重要なポイントです。

ロレックス投資では、得するより損しないことが大切。
少し株式投資と似ている部分があるかもしれません。

つまり、価格の上昇確率の高いモデルを購入し、下落しやすいモデルを避けることで、勝率を上げることができるわけです。

ということで、今回は大黒屋きってのロレックスマニアである私こと瀧正貴が、ロレックスの価格が上昇する要因を解説していきたいと思います。

今回紹介する価格上昇の要因を抑えておくことで、確実に失敗する確率を減らすことができるはずです。

私はロレックスファンであると同時に、大黒屋のお客さまのサポーターです。

投資目的で購入したロレックスで大損なんて、想像しただけでツライ・・・

ですから、この記事によって、ひとりでも多くのお客さまにロレックス投資の素晴らしさが伝わればと思っています!

それでは、さっそく本題に入っていきたいと思いますが、今回の記事は私の部下である大黒屋査定員の堀井にインタビューをしてもらう形で収録しました。

ぜひ最後までご覧くださいませ!

人気モデルは資産価値が低い!?

まずは資産価値の高いロレックスの基本について解説していきます。

― ロレックスのなかでも、資産価値の高いモデルと低いモデルにわかれるのですか?

ロレックスのデザインは流行に左右されないので、相場が安定しています。

ですから、10万円以上の値下がりリスクは、ほかの高級時計に比べると低いです。

しかし、誰もが知っている人気モデルは急激な価格上昇が期待できません。

サブマリーナ、エクスプローラーⅡ、デイトジャスト
エクスプローラーⅡ デイトジャスト サブマリーナ

たとえば、日本で人気のサブマリーナ、エクスプローラーⅡ、デイトジャスト、こうしたモデルの現行販売品はあまり期待しないほうがいいでしょう。

これらは暴落しにくいですが、急激な上昇も少ないです。

流通量が多いために、市場は安定相場状態なのです。

― 資産価値が高まりやすいロレックスの選び方を教えてください

ロレックスの価格が上がる理屈は株と似ています。

そのために、価格が上がる要因を知っておく必要があります。

ロレックスの価格が上がる要因とは?

ロレックスの価格が上昇するには、いろいろな要因があるそう。
どんな要因があるのでしょうか。

― 資産価値が上がる要因とは何でしょうか?

査定士-瀧

次のような要因が重なると、価格が上昇しやすくなります。

  • (要因1)流通量が少ない
  • (要因2)生産終了
  • (要因3)海外からの買付けが急増
  • (要因4)急激な人気上昇
  • (要因5)過剰な定価上昇

たとえば、今(2016年4月現在)買えば値上がり必至のロレックスといえば、デイトナ16520です。

デイトナ16520
デイトナ16520

デイトナ16520とは・・・
クロノグラフ(ストップウォッチ機能)が搭載した、ロレックスを代表するスポーツモデル。
普段使いに適しており、一般の人にも着けやすく人気がある。

デイトナ16520は、為替にも左右されることなく、下記のように確実に価格が上昇していくでしょう。

現在の買取価格 2年後の買取価格
(瀧予想)
保証書が付いている場合 140万円 160万円
本体のみの場合 115万円 125万円

このデイトナ16520A(1999年) 黒文字盤を例に、価格が上がりやすい要因について説明していきましょう。

(要因1)流通量が少ない

流通量が少ない個体は価格が上がりやすいです。

デイトナ16520は89~2000年までに生産されたモデルで、数が少ないです。

なぜ少ないかというと、生産当時、デイトナ16520のクロノグラフ(ストップウォッチ機能)は、ゼニス社というパートナー企業が担当していました。

しかし、ゼニス社は自社でも腕時計を販売しており、ロレックス社に供給できるムーブメントの生産本数に限りがあったのです。

結果的にデイトナ16520の生産数はわずかになりました。

※補足
ちなみに2000年以降は、ゼニス社に頼ることなく、ロレックスが独自のマニュファクチュール(自社生産)でクロノグラフを製造しています。

他にも製造期間が8~10年前後と短い場合や、「限定○個」などの場合は、個体数が少なく価値が高まりやすいのです。

ロレックス社の場合、製造年数が長い腕時計では、20年以上製造する場合もあります。

(要因2)生産終了

生産終了モデルも限られた数の奪い合いになるため、価格が上昇しやすいです。

特に生産終了直後や、新モデルの発売直後は、旧モデルの価値が高まりやすくなります。

今年(2016年)、デイトナには116500LNという最新機種が発売しました。

これはデイトナ16520にとっては孫世代にあたります。

これによって息子世代のデイトナ116520の価格も上昇しています。

さらに、デイトナ16520の父親世代デイトナ6265という先代機種は、400万円以上の値が付いています。

もともと38万円で売られていた時計なので、すごい上昇率ですよね。

  デイトナ6263
銀×黒6番台
(1982年参照)
デイトナ6263
デイトナ16520
黒S,W,T,U番
(1990年参照)
デイトナ16520
デイトナ116520
黒ランダム品番
(2015年参照)
デイトナ116520
デイトナ116500LN
黒ランダム品番
(2016年参照)
デイトナ116500LN
発売当時の定価 38万円 50万円 115万円 118万円
現在の価格 400万円 148万円 138万円 198万円

※Aランク(状態が良く保証書や箱も付属した完品)の場合(全て税別表記)
価格は2016年6月末時点の大黒屋販売相場に基づいています。

デイトナは、新作が出るたびに古い型番が値上がり、投資目的で手に入れた方の成功例が少なくありません。

その成功例をみて、「次は自分も・・・」と買い漁る方が増えました。

こういった現象は株に似ていますよね。

デイトナは過去にさかのぼると、人気のポールニューマンダイアルというモデルに1,600万円以上もの値が付いているんですよ!(箱、保証書付きの場合)

(要因3)海外からの買付けが急増

海外から日本への買付けが急増したため、急に金額が跳ね上がるケースもあります。

査定士-瀧

海外で人気のモデルの価格が、日本でも上昇するのです。

2008年ごろまでの日本のロレックス市場は、いわゆる「ガラパゴス状態」で、顧客は日本人だけでした。

しかし、ビザの緩和などでアジアを中心に、海外からの顧客が急増。

さらに日本の中古ロレックスは、メンテナンスが充実しており、保証書も付いています。

海外に比べると中古品の扱いが丁寧なので、値段が同じなら日本で買おうという現象も起きました。

結果、日本では安価だったモデルが、2010年以降、急上昇する現象が起きています。

デイトナ16520の場合も、日本では安く手に入るとのことで、アメリカ人や香港人がこぞって買付けにやってきました。

品薄になり、希少価値が上がると欲しくなってしまうのが、日本人の特性です。

その結果さらに価格が上昇したのです。

(要因4)急激な人気上昇

不人気だったモデルが、何らかのきっかけで注目され、価格が跳ね上がることがあります。

デイトナ16520のなかでも初期版の89~91年(R、L、E、X品番 )に製造されたデイトナは、海外の愛好者の間で人気でした。

実はデイトナ16520は、製造年によって価格が違います。

製造年は時計のベルトを外した6時の位置に「WTU」とか「P」などのアルファベットで刻印されています。

デイトナ16520 アルファベット部分がアップの写真
製造年がアルファベットで刻印されています。
こちらには「U」の文字が。

89~91年に製造されたデイトナ16520の初期版は、日本市場では4~5年前までそれほど注目されていませんでした。

よって、海外相場よりも価格が低く設定されていたのです。

海外の買い付けが急増し、デイトナ16520の初期版の価格は一気に跳ね上がりました。

しかし、この現象も、今(2016年6月現在)は落ち着いています。

理由は、日本市場での16520初期モデルの値段が海外の相場近くまで上昇したからです。

一度注目を浴びてしまうと、価格が上がりきって飽和状態になってしまうのです。

そうなると、次はこれまで注目されていなかった年代のモデルに、上昇の可能性が出てきます。

現在、デイトナ16520では、注目度が低かった以下のアルファベットの刻印のモデルが上昇しています。

  • 95~98年にかけて製造された「WTU」
  • 2000年に製造された「P」
製造年 2014年の価格 現在の価格 備考
WTU(1995~1998年) 105万円 130万円 2年で25万円上昇!
P(2000年) 178万円 218万円 これからに期待大!

※Aランク(状態が良く保証書や箱も付属した完品)の場合。

資産価値は現在の価格ではなく、これからどれだけ値が上がっていくかをみていくことが重要です。

これからじわじわと値が上がっていく可能性がある、WTU(1995~1998年)やP(2000年)は、現在の資産価値が高いと言えるでしょう。

(要因5)過剰な定価上昇

正規店で販売されているロレックスの定価が上がると、中古市場の価格も上昇します。

査定士-瀧

デイトナ116520は、2015年に定価が約10%上がりました。

この時に、デイトナ116250の中古市場や、さらに系列のモデルである、デイトナ6265やデイトナ16520の相場も、新品の価格変化につられて10%近く、上昇しています。

金額で言うと、10万円ほど一気に相場が跳ね上がりました。

今後もロレックスの定価が突然上昇することがあるでしょう。

海外ではその国の平均月給の9ヶ月分の値段が付けられているロレックスモデルもあります。

「それに比べると日本のロレックス定価はまだまだ安い」というのが、スイスのロレックス本社側の見解なんです。

こうしたタイミングで、お持ちのロレックスのモデルの価格が上昇することもあります。

新品なら価格が高騰するモデルも!

ロレックスで利益を出すためには、少しでも高く買い取ってもらう必要があります。
さらに高値で売れる秘訣を聞いてみました。

― ロレックスを少しでも高く売るための秘訣とは?

手持ちのロレックスを極限まで高く売るためには、以下の条件であることが望ましいですね。

  • シールをはがしていない未使用状態であること
  • 保証書があること

シールをはがしていない未使用状態であること

― 未使用の状態だと高値がつきますか?

はい。

投資目的ならシールの剥がれていない新品状態であることが望ましいです。

新品だと、より上げ幅が大きくなります。

新品の状態のデイトナ16520
新品の状態のロレックス
大黒屋の買取価格(2016年6月現在)
新品未開封の場合 170万円
Aランクの場合 140万円
Bランクの場合 135万円

デイトナ16520の場合、Bランクだと○万円くらいですが、新品未開封なら○万円です。

希少価値が高いモデルで、新品未開封の状態なら、買取価格が30万円近く上乗せになることもありますよ。

ただし多少使用感があっても十分高値は付きます。

※補足
近年では、日本市場でも「ノンポリッシュ個体」(磨きをかけていない良好な個体)が評価されるようになってきました。ただし、状態の良い個体は海外のバイヤーに買い尽くされてしまっているように感じます。

― 古いモデルを新品未開封で持っている人がいるのですか?

投資目的集めている人には多いですね。

なかには新品未開封の状態で20本以上持っている人もいます。

貯金と同じで、日々値上がりするのを楽しんでいるのかもしれませんね(笑)。

保証書があること

― 保証書の有無はどれくらい価格に影響しますか?

デイトナ16520の保証書の写真
ロレックスの保証書

時計本体の価値が高いほど、保証書の価値も高まります。

保証書の有無で10~100万円以上の差がつくこともありますね。

ただし、「保証書があればいい」というのは日本市場の考えなんです。

海外市場では保証書だけでなく、時計のコンディションによる個体差も重視されます。

― 箱も必要ですか?

デイトナ16520の箱写真
ロレックスの箱

現行品に関しては箱の有無は、そこまで買取価格に大きく影響することはないでしょう。

保証書には個体番号がありますが、箱には付いていません。

中古の商品では違う商品の箱が付いている事も多く、本来の付属品であるかの見極めが難しいからです。

ただしレアな個体に関しては、モデルナンバーが記載されている正規の付属箱があれば、プラス査定になるかもしれません。

興味を持ったらまず相談

― 自分の持っているロレックスの現在の価格を知りたい時は、どうすればいいですか?

インターネットのオークションサイトを利用し、いくらで取引されているかを調べてみてください。

査定士-瀧

さらに詳しい市場動向を知りたいなら、ブランド買取専門店に時計を持ち込んで、価格を聞くことをおすすめします。

大黒屋にも、世間話がてら資産価値についてお話を聞きにいらっしゃるお客様がいらっしゃいますよ。

実際に買取査定員のアドバイスを受け、数十万円の利益を上げたお客様もいらっしゃるんです!

ロレックスも、株や証券、不動産と同じです。

証券会社や不動産屋さんに相談するようなイメージで、大黒屋にご相談いただければと思います。

「今は売りたくないけど、資産価値が気になる」というお客様でも、お気軽にお立ち寄りください!

インタビューを終えて

投資目的のユーザーも少なくないロレックス。

株や不動産と違って、ロレックスには身に着ける楽しみもありますよね。

趣味と実益を兼ねた資産と言えるでしょう。

数十万円から手に入るので、平均的なサラリーマンでも「お金に困ったら売れば良い」という意識で持つことができます。

ロレックス相場の動向に注目しながら、時計の収集を楽しめば、よりロレックスへの愛着が沸くかもしれませんね。

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