【インタビュー】世界初のダイバーズウォッチROLEXサブマリーナに迫る

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ROLEXは、多くの人が「一度はつけてみたい」と憧れる時計の有名ブランドです。中でもスポーツモデルの先駆けとして1950年代に誕生したサブマリーナは、ROLEXの時計で一番身近に感じやすいモデルと言われています。サブマリーナが身近に感じられる点はどのようなところなのでしょうか。今回、大黒屋スタッフでもあり、ROLEXに精通している神谷さんに、ROLEXサブマリーナの人気の秘密や、サブマリーナの特徴について伺ってみました。

サブマリーナの特徴や人気の秘密は?

―サブマリーナは、ROLEXの中でもトップセールスを誇るモデルだそうですが、人気の秘密は何でしょうか?

「サブマリーナが人気である理由はいくつかありますが、一番の大きな理由は、サブマリーナが世界初のダイバーズウォッチであることでしょう。今、ダイバーズウォッチというカテゴリは非常に馴染みが出てきていますが、それはサブマリーナから始まったと言っても過言ではありません。現在流通しているダイバーズウォッチのほとんどがサブマリーナをお手本にしており、ダイバーズウォッチ界のトップに君臨しているモデルなのです。またこのサブマリーナは、前回ご紹介したデイトナよりも10年も前に誕生しているので、今のROLEXのスポーツモデルシリーズの先駆けでもありますね。歴史があるだけでなく、非常に種類も多いので、ROLEX愛好家の間でも「この時のこのモデルが好き」などと言って、こだわりを持っている方もいます。
また、デザインや価格の面でも購入しやすいモデルです。デイトナに比べ、手の届きやすい値段であり、数もあります。リセールバリューがいいので、中古市場でも非常に人気ですし、値崩れも少ないですね。デザインもシンプルなので、着ける人を選びません。ROLEXを最初に購入する人の多くは、サブマリーナを手にする傾向があります。こうなったのもサブマリーナ誕生当時、映画『007』の主人公ジェームズ・ボンドがタキシードにサブマリーナを合わせている姿が話題になり、それを見た人たちがマネしはじめましたという経緯があります。その流れから、普段使いや仕事の際のスーツに着用というスタイルが定着してきたと言われています。
さらに、プロダイバー仕様になっているサブマリーナは、ダイバーからの評価も高いです。後で詳しく説明しますが、サブマリーナの特徴でもあるトリプロック構造のおかげで、機密性が高く深い潜水をしても全く問題がありません。実用機として重宝するモデルでもあるのですね。
価格やデザイン面、実用性も高いモデルであるほかには、レアモデルが豊富なことも特徴です。その数は、前回お話ししたデイトナ以上で、プロである我々でも把握しきれないほどです。」

サブマリーナの防水性は?

―サブマリーナはダイバーズモデルとして高い防水性能が評価されているとのことですが、一般的な防水時計とはどのように違うのでしょうか?

「まず押さえておかなければいけないポイントは、日常生活用防水と潜水用防水の違いです。時計の防水性に関する基準については、日本時計協会のホームページに詳しく掲載されていますが、一般的な時計に防水機能がついている場合、多くが日常生活用防水です。日常防水の場合、雨に濡れたり、水がかかったりする程度であれば問題ないのですが、水圧には耐えられません。ですから、極端な水圧がかかるような、プールや海の中での活動には向いていないということです。一方、潜水用防水というのは、200mの深海潜水にも耐えられます。サブマリーナの場合、潜水用防水というカテゴリで、300mの深海潜水に耐えられるというスペックです。一般の人が、300mの潜水を行うことはまずないので、サブマリーナは、一般の人にとって十分すぎるスペックですよね。

サブマリーナが300mの深海潜水にも耐えられる理由は、先ほど少し紹介したトリプロック構造があるからです。トリプロック構造というのは、トリプロック式リューズが備えられた構造のことで、リューズの中に2ヶ所、さらに内部のチューブの中にも1ヶ所ゴムパッキンが入っています。全く水が入らない、とても機密性の高い構造です。一般的な日常生活用防水時計だと、リューズの部分をそのまま引き出して時間調整をするのですが、このようなタイプは時計ケースとリューズの間にわずかな隙間がある為、水が入ってしまいます。しかしサブマリーナの場合は、とても機密性が高くしっかりと閉められているので、リューズを引くこともできません。サブマリーナの誕生当時は、100mの潜水用防水でしたが、200m、300mと進化を続け、現在の地位を確立したのです。」

―ちなみに、サブマリーナについているベゼルは何のために使うのですか?

「ベゼルとは、潜水時間をチェックするためのものです。文字盤の周りに数字が記されている回転リングがあるのですが、それを回して潜水時間を計ります。分針のところにベゼルの逆三角のマークを合わせてから潜水を始め、開始からどのくらい時間が経ったのかを知りたい時は、その時に分針が示しているベゼルの数字を見ます。誕生当時は、両方向にベゼルが回せるようになっていたのですが、現在は反時計周りにしか回りません。両方向に回ってしまうと、分針を追いかけて回ってしまう可能性があり、潜水時間がわからなくなってしまう恐れがありますよね。酸素ボンベを背負って潜るダイバーたちは、常に酸素の残量を気にしています。ベゼルが両方向に回り、正確な潜水時間がわからなくなってしまうと、非常に危険です。そういった懸念もあり、今は反時計回りのみとなったようです。
このような点も、他のメーカーのダイバーズウォッチを作る際に参考にされているので、細かな配慮がされているサブマリーナを最初に作ったところが、時代の最先端をゆくROLEXの凄さですよね。また、ベゼルの素材も改良がされていて、以前はアルミニウム製だったのが、現在はセラミック製になっています。セラミック製は、ROLEXのGMTマスターで2005年に最初に使われたのですが、2010年からサブマリーナにも採用されるようになりました。硬質で質感にも優れたセラミックになったことで、傷もつきにくくなり、ますます評価を上げているようです。」

サブマリーナのデイト機能について教えて!

―サブマリーナには、デイト機能が付いているものと付いていないものがありますよね。この違いは何ですか?選ぶならどちらがいいのでしょうか?

「デイト機能は日付がわかる機能なので、単純に日付がわかるかわからないかの違いです。サブマリーナが誕生した時はデイト機能が付いていませんでしたが、数年後にデイト表示が追加され、デイトあり・なしを選択できるようになりました。以前は、デイト機能があるものに対して、クロノメーター認定がされていました。クロノメーター認定とは、公的独立機関COSC(スイス公認クロノメーター検定協会)による認定試験に合格して、COSCによる認定を受けた精度の事を指します。その内容とは、温度や向きなどを数十パターン変えてテストし、ある一定の基準値をクリアしたものにだけクロノメーター認定が与えられます。サブマリーナの文字盤の中にも、小さな文字ですが、きちんと刻印されています。機械式時計にこだわりたい方は、正確さが認められているということで、クロノメーター認証されているかどうかを重要視する方もいますね。2007年からデイト機能のないものにもクロノメーター認証がついているので、現在は基本的にどちらも同じスペックです。

選ぶならどちらが良いかということですが、どちらも同じスペックなので、デザインや価格を重視する方が多いですね。よりシンプルなデザインがよくてデイトなしを選ぶ方もいますし、サブマリーナ誕生当時のデザインがデイトなしであったことから、その当時のデザインに魅かれて選ぶ方もいます。弊社買取スタッフの中にも、ロサブマリーナユーザーがいます(デイトなしモデルを所有)。話を聞いてみると、『サブマリーナデイト付はカレンダー表示のレンズが飛び出した形状になっていたので、よりシンプルなデザインを追求し、さらに実用性の面で考えたら時間だけチェックできれば問題なし』という考えでデイトなしをセレクトしたそうです。また『デイトなしというシンプルなデザインながら、ダイバーウォッチならではの回転ベゼルが装着されているので存在感もあるし、物足りなさは感じません。』とのことでした。その他、国内参考定価に注目してみても、デイトなしの方が10万円ほど安く購入できるので、価格と相談して決める方もいますね。」

気になる!サブマリーナのレアモデルは?

―冒頭で、サブマリーナにはレアモデルも多いと教えていただきましたが、有名なレアモデルには何がありますか?

「今回ご紹介したいレアモデルは4つあり、赤サブ、軍サブ、COMEXモデル、ボンドモデルと呼ばれるものです。まず1つ目の赤サブと呼ばれるレアモデルですが、これは文字盤にあるサブマリーナの文字が赤色のものです。1680という型式で、通常100?200万円の間で市場に流通しています。

次に2つ目の軍サブと呼ばれるモデルですが、これはイギリス海軍に支給したとされるモデルです。当時は200m防水だったのですが、200と書かれた文字の上に「T」のマークがあり、ベルトもナイロン製が使われています。型式は5517で数少ない固有のリファレンスがついた珍しいモデルです。こちらはまず市場に出回っていることはまずありませんが、400?600万くらいで流通しています。
3つ目のCOMEXモデルというのは、フランスのCOMEX社という潜水会社と協力して作ったモデルです。もともとCOMEX社は、ROLEX社から時計を支給されていたこともあり、協力関係にあった会社です。5514という型式のCOMEXモデルには、COMEXのロゴマークが入っており、こちらも流通量が極めて少なく、500?700万円の間で流通しています。
最後4つ目は、謎の多いボンドモデルをご紹介したいと思います。ボンドモデルとは、その名の通り、1950年代の2代目ジェームズ・ボンドが映画「007」の中で身につけていたモデルと言われているものです。実際にどのモデルを着用していたのかは定かでなく、国ごとに主張が異なっています。日本国内では、型式6538説が有力です。これは映像の中でしか確認できないため、ROLEX愛好家の中では盛り上がる話題でもあります。取引価格は数千万円レベルです。このボンドモデルもそうですが、ROLEXの時計には、ちょっとしたことでも話題になったり、論争が起こったりするモデルがたくさんあります。ROLEXという文字の書体や文字盤全体のディテールの変遷だけでも論争が起こるくらいなので、いかに多くの人がROLEXの虜になっているのかがわかりますよね」

いかがでしたか?ROLEX最初のスポーツモデルとしても、世界初のダイバーズウォッチとしても有名なサブマリーナ。ダイバーズウォッチというカテゴリの中で、圧倒的な地位を確立しているだけあり、実用性も非常に高いことがわかりました。時計専門家の間でも解明できないほどのレアモデルの多さにも驚きですよね。

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