富永：でも、ロレックスを持ち込まれるお客様全員がロレックス好きかというと、そうでもないですよね。

宮崎：まず多いのが、使っていたロレックスが壊れたというタイミングで売りに来られるお客様。

富永：私が担当した50代の女性のお客様は、故障したレディースのデイトジャストをメンテナンスに出すのはお金がかかるからと来店されました。

富永：時計を落としてしまって、文字盤のガラスがバキバキに割れてしまったそう。

ロレックスに修理の見積もりを出したら、ガラス交換やメンテナンス費用で合計7万円以上かかる（高い！）といわれたそうで。

壊れた時計でも買い取りをしてもらえるのか調べていたら、大黒屋を見つけてくださったと・・・。

堀井：どんな感じのお客様ですか？

中村：ある30代のお客様は壊れたデイトジャストのサンダーバードを持ち込まれたお客様。

やはり修理にお金を払うのは・・・ということで来店されました。

中村：このお客様も、「普通のドレスウォッチと違い、サンダーバードはベゼルが回転するから、すごくカッコいい！」と購入されたそう。

購入当時は毎日付けていらっしゃったそうなんだけど。

中村：オーバーホール（※）は高いからねぇ・・・

中村：本来、ロレックスは故障せずとも4～5年おきにオーバーホールが必要。油切れなどで、故障しやすくなるからね。

富永：ある会社員の40代のお客様もその一人。

10年ほど前に購入したサブマリーナを、「あんまり使っていないから・・・」とお持ちになられた。ネットでいろいろ買取店を探していたら、大黒屋のサイトを見つけてくださったそうで。

メンテナンスはしてなかったけれど、使用頻度が低いせいか状態がよかったわね。もともと50万円で購入されたサブマリーナを、55万円でお買取させていただいた。

富永：お客様も「なんとなく買ったけれど、（売る時に）こんなに高値がつくの？」って驚いていました。

中村：自分でも思ってみないほど高値で売れちゃう。そこがロレックスのスゴさだよね。

宮崎：ロレックスは好きなものの、好みでないモデルを購入してしまって、お持ちになるお客様もいらっしゃいますよね。

宮崎：そう！ディープシーを売りに来られるロレックスユーザーは多いです。

中村：ディープシーを持ち込まれた40代のお客様もそう。

「時計屋さんの店員にディープシーをすすめられて買ったけれど、自分には大き過ぎるから、もっと小ぶりな時計がいい」と、大黒屋にいらっしゃった。

中村：スーツがビシっとお似合いの方でした。パネライとかブライトリングもお持ちとおっしゃっていた。

ディープシーを買う時は、本当はデイトナを買おうとしていたのに、店員にゴリ押しされてディープシーを買ってしまったと・・・

堀井：私も同じようなお客様からディープシーを買い取りました。

若気の至りで買ったけれど、ディープシーは重いっておっしゃっていましたね。子供の小学校の入学費用が必要だから、高く買い取ってくれるところがないかとネットで探していたら、「大黒屋が高値買取が可能」という情報を見つけられて、持ち込まれたと。

たしか80～90万円で買い取りました。

宮崎：でも、ディープシーは使ってみたら、「違った！」って思われたんでしょう。

「ディープシーを売る」は、ロレックスマニア「あるある」かもしれません。

中村：ある70代男性のお客様もそのパターンかな。お持ちになったのはシャンパンゴールドのデイトジャスト。状態は新品同然だった。

中村：退職時の記念品として会社からプレゼントされたのだそう・・・。

中村：一度も使ったことがなくて、タンスにしまいっぱなしだったとおっしゃっていた。

中村：それが・・・文字盤の裏にバッチリ「●●株式会社退職記念」と刻印が入っていたんだよね。

刻印がなければ30万円で買い取れたけれど、刻印のせいで25万円になってしまった。

中村：今はそういう会社は少ないと思うな。一昔前なら退職者にロレックスをプレゼントするみたいなところもあったんだろうね。

堀井：最近の若者は時計に興味ないんですかね？

堀井：そうでした・・・。

富永：「金無垢は派手過ぎるから、ちょっと恥ずかしい」とおっしゃっていたわ。30年前にお祖母様が購入したもので、当時の価格で150～160万円くらいはするでしょうね。

お祖母様も売却には承諾されているらしく、結局、50万円で買取らせていただいた。

宮崎：アジアからのお客様はゴールドがお好きですよね。

宮崎：ある40代女性のお客様は、夫婦ペアのデイトジャストをお持ちになりました。

宮崎：確かに売るかどうか迷われていましたね。まだ20代のころに、夫婦で結婚記念に購入したらしくて。

けれど、ほとんど使わないし、売ったお金で娘さんに新しい時計を買ってあげようかなとお話されていました。

宮崎：レディースはBランク、壊れたメンズはCランクで買い取り。買取価格は合計で50万円でした。

堀井：悲しい理由でペアウォッチを手放すお客様もいらっしゃいますよね。

堀井：あるお客様は、夫婦で結婚指輪の代わりに購入したというペアのヨットマスターを売りにいらっしゃっていました。離婚をきっかけに・・・。

堀井：結局、買取金額は2つ合わせて90～100万円でしたね。おそらく購入時は2つで150万円ほどだったと思います。

堀井：ペアで買われたから、時計くらいは添い遂げて欲しいという気持ちかな…

宮崎：あらためてみると、ロレックスを売りに来られるお客様の年齢や職業はバラバラですね。

堀井：そうですね。いろんなお客様がいらっしゃいますけど、それはそれで興味深いです。