偽物は避けたい!ロレックスの本物とコピー品の違いは?
「せっかくロレックスを買ったけれど、偽物ではないか不安・・・」
「偽物かどうかハッキリさせたいのに、見分け方がわからない・・・」
高いお金を払って買ったロレックス。
もし偽物だったとしたら、とんでもない話ですよね。
でも、時計に詳しくない一般の方が偽物を見分けるのは至難の業。
そう簡単に見分けることはできません。
こんにちは。
大黒屋でロレックスの買取を専門に行なっている査定員の富永と申します。
査定員になって7年、これまでの数多くの偽物ロレックスを見てきました。
ロレックスの査定をしていると、よくお客様からこんな質問をいただきます。
「簡単にロレックスの偽物を見破る方法はないの?」
でも、先ほど申し上げたとおり、真贋を見分けるのはそう簡単じゃないんです・・・。
なぜなら、ロレックスの偽物は多種多様で、同じような偽物ばかりではありません。
さらに、本物に近づけようと日々進化していて、私たち査定員を悩ませる偽物も少なくないんです。
そのため、一言でお伝えできるようなノウハウはあまりないんですよね・・・。
しかし、それで話を終わらせてしまっては、大黒屋の名が廃ります!
簡単ではないものの、私たちが持つ真贋の見分け方のテクニックを公開することで、少しでもロレックスユーザーのみなさんのお役に立てるならということで、今回は私が実際にロレックスを査定するときに使う偽物を見分けるテクニックをお伝えしていきたいと思います。
詳しくは後ほど説明しますが、たとえば、一箇所だけマークが違うと思っても、私はそれだけで偽物と判断することはありません。
そのほかにも偽物を疑える部分がないかを調べて、総合的に偽物がどうかを判断しているんです。
また、実際に見て、触って、動かしてみることで、ちょっとした違和感を覚えるかどうかもひとつのポイントです。
ぜひお手元にロレックスをお持ちになり、見比べてみてくださいね。
もっと手っ取り早く真贋を知りたいときは、いつでも大黒屋までお問い合わせいただければと思います。
迅速に査定させていただきます!
大黒屋の査定員が実践している
偽物を見分けるテクニック
堀井:富永さん!昨日持ち込まれた、このサブマリーナデイトなんですが、どう思いますか?偽物ではないですかね?
富永:どれどれ?(時計を見て)私の感じでは・・・ちょっと怪しいわね・・・。
堀井:え?なんでそんなにすぐにわかるんですか?
富永:私の第六感ね!もちろん、きちんと査定させてもらわないと、断定はできないわ!
堀井:第六感・・・(笑)。
富永:最近のロレックスの偽物はとってもよくできているから、少し見ただけでは偽物かどうかわからないわよね。
堀井:仕事柄、われわれは偽物を見分ける方法を知っていますけど、時計に詳しくない一般の方がロレックスの偽物を見分けるには、どうすればいいのでしょう?
富永さんのような第六感もないわけですし・・・。
富永:いくつかポイントをおさえれば、見分けられなくもないと思うけど。
堀井:え?どうやって・・・?
偽物を見分けるポイント
堀井:そもそも富永さんは本物かどうかを見分ける時、なにをはじめに見るんですか?
富永:私はまず、時計の顔から見るわね。
堀井:顔?!
富永:私はこんな感じで、偽物かどうかチェックしているの。
- パッと見で違和感を覚えないか?
- 時計に触って、痛くないか?
- 裏側が雑に作られてないか?
- 文字がぼやけていないか?
- 時計を動かしてみて、変な音がしないか?
堀井:なるほど。でも一般の方は、偽物かどうかを判断する時、本物と見比べられないですよね?
富永:本物がそばにあれば、見比べるのがベストだけど、普通の人はないわよね。
そういう時は、状況証拠を積み上げていくといいと思う。
堀井:状況証拠?
富永:一箇所でも偽物と断定できる部分があればストライク、二箇所目が見つかれば2ストライク、三箇所目で3ストライク、アウト、偽物確定。
という風に状況証拠を積み上げていくの。
堀井:なんだか探偵みたいですね(笑)。では富永流の偽物を見分ける方法を詳しく教えてください!
富永:オーケー!
1、「偽物かも?」と思ったら その直感を信じよう
富永:今回はこのロレックス サブマリーナデイトを例にしましょう。本物を用意するわね。
堀井:サブマリーナデイトは、ロレックスのダイバーズウォッチの代表格です。
ロレックス サブマリーナデイト 型番 116610LN
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:左が本物。右は堀井がさっき持ってきた偽物かもしれないサブマリーナデイトね。
堀井:並べたところで、同じように見えてしまいますね~。
富永:そうかもしれないけど、まずはパッと見で違和感がないか判断することが大切ね。
堀井:パッと見?!
富永:そう、「わずかでもこれは偽物じゃないかな?」と思うなら、その直感を大事にしたほうがいいと思う。
堀井:直感でいいんですか?
富永:ええ。偽物は本物を真似して、偽物の職人が作っている。
だから、偽物の時計はどこかバランスが悪くて、パッと見でも違和感を抱くことが多いのよ。
堀井:へー。この偽物にも違和感がありますか?
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:(苦笑)正直、この偽物はなかなかよくできていると思うわ。でもやっぱりなんとなく違うと思ったわね。
堀井:では、そのカンを信じて、証拠を探してきましょう~。
2、時計に触れて、痛ければ偽物
富永:まずは時計に触れたり、実際に身につけてみて。
堀井:触って、身に着ける?
富永:実際に触れてみて、「痛い」「ゴツゴツする」という印象があるなら、偽物の可能性が高いのよ。
フリップロックの仕上げが雑
堀井:では実際に腕に付けてみましょう。(本物と偽物を着けてみる)
・・・確かに偽物は、時計を着ける時に開くブレスレットのつなぎ目部分、フリップロック部分がちょっと痛い・・・。
富永:フリップロックは時計のブレスレットの付け外しをする部分ね。
それなら、その裏側をよく見てみて。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:あ、バリがありますね・・・。
富永:うん。フリップロックのヘリ、ブレスレットを外して腕にまく時に、最初に開いたところがバリでボコボコしてる。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:金属を加工する時にできる、バリですね。
富永:本物はキレイに面取りされているけれど、バリが残ってしまうのは偽物の証拠。
堀井:バリが残っていると、痛いし危ないですよね。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:横から見ても、偽物だとガタガタしていて、ラインが一直線になってないのがわかるわよね。
堀井:本当だ。
富永:なめらかなカーブを描くには職人技が必要。
偽物はこういう見えにくいところの作りが雑なのよね。
ブレスレットの接着部分にもバリが
堀井:時計のケースとブレスレットの接続部分も痛いような気がしました。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:じゃあ、よく見てみましょう。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:接続部分にあるネジ穴。偽物にはここにもバリがありますね。
富永:ここも手首に当たる部分だから、キレイに仕上げなければいけないのにね。
堀井:角度によってはここも肌に当たるから、ケガをする可能性があります。
富永:こんなかんじで、偽物は身に着けると痛いことが多いのよ!
本物を作る職人さんは使い心地まで考えて作っているから、そういうことは絶対にない。
堀井:表から見るときれいなので、一般の人はわからないですよね。
富永:だから、実際に触ってみて、裏側をチェックすることが大切なのよね。
3、裏側や側面が雑に作られていたら偽物
富永:ほかにも時計の裏側・・・。ベルトやケースの裏側・側面をよく観察すると、偽物は雑なところが出てくるわ。
ネジとネジ穴にすき間ができている
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:ブレスレットの長さを調節するコマ部分のスクリューネジを見比べてみて。
堀井:本物はネジのすき間がなくしっかり閉まっているけれど、偽物はすき間があってスカスカしていますね。
富永:本物でこんなスカスカはあり得ないわよね。
堀井:こういうところは普通の人が見ないのをいいことに、雑に作られているのでしょうね。
富永:ネジ穴のすき間やバリは、多くの偽物に共通している特徴。
堀井:気になったら、ネジ穴やバリがないか見ればいいんですね。
ステンレスなのに金の刻印
富永:もう一つ、偽物の特徴。
変な刻印が裏側に入っていることがあるわ。
堀井:どんな刻印が入っているのですか?
富永:金でもないのに、金を表す「K18」「750」「天秤マーク」「女神の横顔マーク」が入っていることがあるのよ。
堀井:えー、金でもないのに?
富永:そう。こういうステンレス素材なのに、金を表す刻印が入っていることがあるのよね。
堀井:どのあたりでしょうか?
富永:今回の偽物にはないのだけれど、ネジ穴の隣あたり。
堀井:ステンレスなのに金の刻印なんて、とんでもない間違いですね。
富永:レベルの低い偽物にはこういうことがあるわね。今は写真がないのだけど・・・。
4、文字がぼやけていたら偽物
富永:次は文字盤に書かれた文字を見てみましょう。
本物と比べて、文字にシャープさがない場合、偽物を疑っていいわね。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:文字はロレックス職人が手書きで書いているんですよね。
細くて小さい文字を描くには、職人の卓越した技が必要です。
富永:その通り!でも偽物の職人はそこまでの技がないから、そのミスを見つけていくのよ。
「ROLEX」の文字がはみ出している
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:この文字、偽物も非常によくできている気がしますが・・・。
富永:偽物の「R」という文字の左上をルーペでよーく見てみて。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
(よーく見ると、文字がはみ出しています)
堀井:インクがわずかにはみ出しているのが見えますね。
富永:ほかにも偽物は「R」の左面とか「O」の左面とか、文字がぼんやりとしていて、にじんでいるように見えるわね。
堀井:二度書きしているのかな?という感じですね。
富永:偽物は文字の太さが均一に描かれていなかったり、にじみやかすれがあったりするのよね。
堀井:しかし。細かい文字を見る時、われわれ査定員が使うような専用ルーペを一般の人は持っていないと思いますが、どうすればいいでしょうか?
富永:虫メガネなどで見てもいいと思うわ。
文字が一列に並んでない
富永:この偽物の「ROLEX」の文字、まだまだ怪しいところがあるわね。
堀井:え?まだあります?
富永:「R」の斜めの線が、やや短いかな・・・と思うわ。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:うーん、わかりにくいですが、いわれてみればそうですねぇ。
富永:本来なら、「ROLEX」という文字の下が一直線にそろわなければいけないのに、偽物は「R」が短いせいで、足が届いてないような感じ(笑)。
堀井:文字の配置バランスも職人技が必要ですからねー。
王冠マークは見極めが難しい
堀井:ロレックスの象徴である王冠マークはどうでしょう。
偽物と本物の形がやや違っていますが、どう思いますか?
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:たしかに違うけど、この時計の場合、王冠の形だけで偽物と判定するのはかなり難しいと思うわ。
堀井:ですね。この偽物の王冠マークはよくできていると思います。
富永:レベルの低い偽物だと、一目で「偽物」とわかるような不格好な王冠マークもある。
でもこれはそういうのとは違うわね。
堀井:一般の方は、ロレックスの公式ホームページの王冠マークと比較して、偽物かどうか見比べてるようです。
富永:公式ホームページに掲載された王冠マークを見て偽物かを判断するのは、あまりオススメできないかな。
王冠マークは年代やモデルによって変化しているから。
堀井:そもそも本当の王冠マークがわかりづらいと・・・。
富永:精巧な偽物の場合、王冠マークは偽物と断定する判断材料になりにくいわね。
王冠の透かしがハッキリ見えている
富永:そのほかに文字盤の中で注目したいのは、時計の「6時」部分にある、王冠マークの透かしね。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
堀井:横からうっすらと見える、ガラスに彫られた透かしですよね。
- 《 本物 》
- 《 偽物 》
富永:本物、しかもシルバーや白の文字盤だと、斜めからルーペを使って、うっすらと見える程度。
黒い文字盤でも正面からうっすらと確認できる程度のはず。
堀井:偽物の場合、どの角度からも透かしがしっかり見えてしまうことが多いですよね。
富永:透かしは見えすぎてしまうと、時計の文字盤を見るのに邪魔になるからダメね。
堀井:そもそもこの透かしマークは、ロレックスが偽物対策として、施したものですよね。
富永:そう、この透かしマークをロレックスがはじめたのが、1999年のヨットマスターから。
2003年ごろには、すべてのモデルに透かしマークを入れているわね。
堀井:それが今や、この透かしマークもほとんどの偽物に入っていますよね。
富永:2018年に発表された新作から、文字盤6時位置の「SWISS MADE」という文字に王冠マークを入れるようになったわね。
堀井:これもロレックスの偽物対策なんでしょうね。
ロレックス ディープシー 126660 2018
2018年に発表された新作から「SWISS 王冠 MADE」という表記が登場。
今後、マイナーチェンジして、この「SWISS 王冠 MADE」がスタンダードになっていく可能性が高い。
5、時計を動かして 変な音がするなら偽物
富永:実際に時計を動かしてみることも大切かな。
音や動きに違和感を持ったら偽物かもしれないわね。
カレンダーが変わる瞬間の音に注意
富永:まず自分で短針や長針を回してみて、スムーズに動くか、変な違和感がないか、確認したほうがいいわね。
私は必ず、日付が変わるところまで針を回してみるわ。
堀井:日付が変わるまで?12時ちょうどということですか?
富永:そう。たとえばデイトジャストは、12時ちょうどでカレンダーの日付が変わる時に、「カチッ」という気持ちのいい音がするように作られている。
堀井:確かに、カチッといい音がして12時ちょうどでカレンダーの日付が変わりますね。
富永:でも、偽物は「カチッ」といい音がしなかったりカレンダーの日付の切り替わりがゆっくりだったりするのよ。
回転ベゼルが気持ちよく回らない
富永:それから回転ベゼルを回してみて。
堀井:(本物のベゼルを回す)本物はカリカリカリという気持ちのいい音がしますよね。
富永:うん、手で回す感じもスムーズにいくわよね。
堀井:(偽物のベゼルを回す)うーん・・・偽物はなんとなくガリガリという変な音がします。
富永:そうなの。偽物はスムーズに回らなかったり、変な音がしたりするのよ。
それから、ベゼルが右にも回るか確認してみて。
堀井:右に回せますね。
富永:それなら確実に偽物ね!
ダイバーズ系の時計(サブマリーナ・シードゥエラー・ディープシー)の場合、ベゼルは左側にしか回らないように作られている。
でも、偽物は右にも左にも回ってしまうの。
堀井:ダイバー用の時計は、海に潜るダイバー用に作られていますから、酸素ボンベの残量を確認するために、左回りに作られているのですよね。
富永:偽物はそういうロレックスならではのこだわりを、すべて無視しているからね~。
堀井:これで今回のサブマリーナデイトが偽物だってことは確定しましたね!
富永:そう。今回は間違いなくクロね!
ネットや海外の怪しいお店は要注意
堀井:そもそも偽物はどこからやってくるんですかね?
とくにインターネットで購入された方や、海外で買われた方は「偽物なのでは?」と心配する人が多いようですが。
富永:インターネットの個人売買や正規店以外のお店には、偽物が出回っていることは事実ね。
堀井:どこで購入すると偽物をつかまされてしまうでしょう?
インターネットのフリマアプリ
富永:インターネットのフリマアプリなどの個人売買でロレックスを購入すると、偽物だったという話をよく聞くわね。
堀井:大黒屋にも「フリマアプリで買ったんだけど、本物かどうか見て欲しい」という相談が最近とても多いです。
富永:一般の方が購入する前に、フリマアプリの写真だけで偽物かどうか判断するのは難しいと思う。
堀井:「ネット上では本物の写真を使用して、実際に送られてきたのは偽物」という場合もあるでしょうからね。
富永:時計に詳しくないならフリマアプリはあまりオススメしないかな・・・。
海外の正規店以外の店
堀井:海外で購入する場合はどうでしょう?
富永:ロレックスの正規店はもちろん、店舗をきちんと構えている中古店で購入するなら問題ないと思う。
一方で、路地裏にある怪しいお店で買ったロレックスは100%偽物と思うべきね(笑)。
堀井:「掘り出し物」なんてないと?
富永:ないわね!私は海外旅行した時、職業柄、時計屋さんを偵察しているんだけれど・・・。
堀井:偵察!?
富永:路地裏の怪しいお店で本物を見たことはほぼないわね。
堀井:国はどうですか?偽物が多そうな国は?
富永:中国とフィリピンの路地裏のお店ではけっこう偽物を見たかな。
中国の深セン(しんせん)駅には、偽物のロレックスのみ売っているお店があった(笑)。
堀井:香港とかはどうです?
富永:香港は世界最大のロレックス出荷国なので、正規店も中古店も多いから、一定の信頼はあるかな・・・。
まあ、香港の裏路地のお店では、やはり偽物を見かけたけどね。
堀井:へえー!
富永:とはいえ、日本国内にも偽物を扱っているお店はあるから、あまり路地裏の怪しいお店を利用しちゃダメね。
堀井:なるほど、気をつけましょう!
まとめ
堀井:偽物のロレックスって、世界中にどのくらい存在するのでしょうねぇ?
富永:私にもよくわかないなー。
でも、大黒屋に持ち込まれるロレックスのうち10個中1つくらいは偽物が含まれているような・・・。
堀井:とはいえ、偽物もピンからキリまでありますしね。
富永:うん。時計を見ただけで、すぐに「偽物だ!」ってわかるジャンク品もあれば、細かいところまで見なければ偽物とはわからないものもある。
堀井:いずれにしても、お持ちのロレックスに疑いを持ったなら、今回紹介した方法で確認していただきたいですね。
- パッと見、違和感を覚えないか?
- 時計に触って、痛くないか?
- 裏側が雑に作られてないか?
- 文字がぼやけていないか?
- 時計を動かしてみて、変な音がしないか?
富永:それでも偽物かどうかわからないという場合は、いつでも大黒屋にご相談くださいね。
堀井:ハイ!査定するだけなら無料で行っています。ネット査定も可能です!