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シャネル

大黒屋の査定員がシャネルのチェーンショルダーの偽物を見分ける過程をすべて公開してみた

シャネルの偽物を見破る方法教えます

「シャネルのチェーンショルダーをネットで安く購入したのですが、もしかしたら偽物かもと不安になってきました・・・」

「最近のブランド品の偽物はかなり精巧にできていると聞きます。素人が見て、真贋を見分けるのは難しいでしょうか?」

このようなお悩みを抱えて、大黒屋に売却査定で訪れるお客様は少なくありません。
たしかに本物と思って持ち歩いていたシャネルのバッグが実は偽物だったなんて、悲しすぎますよね・・・。

今は昔と違い、インターネットオークションやフリマアプリを利用して、一般の方同士がブランド品を売買するご時世です。
本当に便利になりましたよね。

ただ、その反面、知らないうちに偽物のブランド品をつかまされてしまうリスクは、以前とは比較にならないほど高まってきました。

フリマアプリを賢く使うためには、自衛しなければならないわけですね。

「でも、そうはいっても素人が簡単に偽物を見分けるなんてムリでしょ?」

いえ、実はそんなこともないのです。
シャネルのバッグの真贋は、私たちのような専門の査定員でなくても、見分けられるポイントがいくつもあります。

もし、【誰でもカンタンに偽物を見分けられるポイント】があるとしたら、知りたいと思いませんか?

そこで、今回は私たち大黒屋のシャネル買取専門の査定員が、【誰でもできるシャネルバッグの真贋セルフチェック方法】を写真付きで具体的に解説していきたいと思います!

というわけで、こんにちは。
大黒屋で13年間、シャネルのバックを中心に査定してきた、査定員の中村でございます。

私は日々、持ち込まれる多数のブランド品を査定する仕事をしておりますが、近年、人気が再燃しているシャネルのチェーンショルダーは、たくさんのお客様からお持ち込み頂いている状況です。

しかし、大変残念なことに、その中の一部に偽物を疑われるお品が・・・。

また、私が査定員になった駆け出しの頃に比べて、偽物のブランド品は急速に進化を遂げています。

おそらく3Dプリンターを使用するなど、ブランド品の偽物製造の世界にも、技術革新が訪れているのでしょう。

そのため、本物とまったく見分けがつかないような、精巧な偽物もあり、それを見抜くのはかなり難しくなってきています・・・。

しかし、その一方で、一般の方でも見分けることができるポイントはいくつもあり、これを知っておいて損はないはずです。

どんなに偽物が進化しても、本物にはあり得ない特徴が必ず1つや2つは必ず見つかることが多いですから。

たとえば、偽物はしばしば、自宅の道具箱に入っているような、ごくありふれた金具を部品として使用することがあります。

もちろん、本物のシャネルでは、そのような廉価な金具を使用することはありえません。

こうした細かい点を虫眼鏡で観察することで、一般の方でも偽物を十分見破れるのです。

今回は、当社の査定員、堀井と私が、実際に偽物と疑われるシャネルを査定する風景をそのままお見せしていこうと思います。

そして、最後に【シャネルのチェーンショルダーの真贋をセルフチェックできるようにチェックリスト】も準備しましたので、ぜひご覧になってください。

私はブランド品の査定をしていて、偽物が疑われるお品に出合った時、さながらサスペンスドラマをみている感覚になることがあります。

証拠を集め、相手を追い詰めて、事件の核心に迫っていく。

この感覚をぜひあなたも味わってもらいたいのです。

ちなみにですが、本物のお品物であっても、今回紹介する偽物の特徴に似ている点もあり、あくまで総合的な判断となりますので、偽物の特徴に符号していたからといって、必ずしも偽物と断定できるわけではありません。その点だけご承知おきください。

それではさっそく本編をどうぞ。

今回紹介する大黒屋の査定員です。

  • 中村

    中村:経験豊富なベテラン査定員。「初心忘るべからず」の生真面目な性格。

  • 堀井

    堀井:リサイクルショップでのバイト経験あり。
    どんな品物でも対応できる万能査定員。陽気なイジられキャラ。

シャネルのチェーンショルダーに潜む偽物を探せ!

堀井
堀井

中村さん!大変です・・・!このシャネルのバッグを見てください!

中村
中村

なんだ堀井、騒々しい・・・。シャネルのチェーンショルダーじゃないか。

シャネルのチェーンショルダーA01112

偽物と思われる品物

シャネルのバッグでは一番人気の定番バッグ。中心にあるシャネルマークの金具『ターンロック』が特徴。Wフラップ(ターンロック式の蓋を開けると更に内蓋がついている)、Wチェーン(蓋の上部に左右2か所穴が開いているタイプ)でハンドバッグとしても、チェーンショルダーとしても使用できる。

堀井
堀井

このシャネル、どことなく偽物の香りがするのですが、どう思いますか?

中村
中村

ふぅむ・・・(ジッっと見る)。たしかに偽物のようだね・・・。

堀井
堀井

ゴクリ・・・

中村
中村

でも、もしかしたら本物かもしれない・・・。

堀井
堀井

ズコッ!(笑)一体どっちなんですか!?

中村
中村

実は、シャネルのチェーンショルダーの真贋はプロでも見分けるのが難しいのさ。

堀井
堀井

なんですと!?

中村
中村

シャネルのチェーンショルダーは歴史が古い。本物でも製造年代によってシャネルマークの位置や、使用されている部品が違うんだよ。

堀井
堀井

マイナーチェンジが繰り返されているのですね。

中村
中村

だから本物と偽物の区別が一筋縄ではいかんのだ!堀井!

堀井
堀井

それなら、どうやって見分ければ・・・。

中村
中村

安心しろ堀井。いい方法がある(ニヤリ)

年代の異なる3つのシャネルで検証

中村
中村

まずは偽物かどうかを見比べるために、3つの本物のチェーンショルダーを用意する。

堀井
堀井

え!?3つも?そこまで見比べないとダメなんですか?

本物(1995年製造 ラムスキン)

本物25cmラムスキン

本物(2009年製造 キャビアスキン)

本物25cmキャビアスキン

本物(2015年製造 ラムスキン)

本物30cmラムスキン

中村
中村

貴様はアマチュアか?何度も同じことを言わせるんじゃない。

さっきも言ったようにシャネルのチェーンショルダーは時代によって微妙に作りが違う。

だから、偽物と本物を見比べるときには、ひとつの時代のバッグとだけ見比べても、不十分なのだ!

堀井
堀井

一見、偽物のように見えても、製造された時代によっては本物かもしれないということですね。

中村
中村

その通りだ!
さまざまな年代の本物と見比べて、はじめて偽物の判断を下すことができるのだ!

堀井
堀井

今回用意した3つの本物は、作られた年代が違うんですね。

中村
中村

うむ。今回はバブル全盛の1995年から、バブルファッションが再燃しはじめた2009年、さらに最近の2015年まで、3つのタイプのチェーンショルダーを用意した。

堀井
堀井

では、この偽物の疑いがある紫のチェーンショルダーは、いつ頃作られたものでしょうかね?

偽物が疑われるシャネル(2008年頃に製造?)

偽物と思われる品物

中村
中村

おそらく2008年頃に製造されたものと考えられる。

堀井
堀井

この紫のバッグと、本物3つとの違いを見ていけば、偽物かどうかがハッキリするわけですね。

中村
中村

うむ。偽物を見分ける鉄則は、状況証拠を積み重ねることだ!

堀井
堀井

状況証拠?

中村
中村

偽物を製造する職人は、それまでに作られたシャネルの本物を参考にしながら、それらしいバッグを作っている。

しかし、本物のような高い材料費はかけられないし、本物の職人のような技術もない。

堀井
堀井

粗末な材料を使って、雑に作られている部分がないかを発見できればいいんですね。

中村
中村

ただし、結論を急いではいけない。

偽物の証拠は1つだけでなく、いくつも積み重ねなければ、偽物とは断言できない。

堀井
堀井

では、このバッグが偽物かどうか、3つの本物と比較しながら検証していきましょう!

バッグ表面は本革?それとも合皮?

中村
中村

まずはバッグ表面の革から見てみよう。

革とステッチを見比べる

堀井
堀井

チェーンショルダーのバッグには、どんな革が使用されているのですか?

中村
中村

今回用意した本物は、ラムスキン(羊の革)キャビアスキン(牛の革)だ。ただし、偽物は本物の動物の革ではなく、合皮が使用されていることが多い。

ライムスキンの特徴は柔らかさと毛穴

中村
中村

本物は、ラムスキン(子羊の革)だ。

革の手触りに違いがないか、偽物と本物を比べてみたまえ。

堀井
堀井

うーん・・・。
どちらも同じぐらい柔らかいですよ。

偽物の疑いがあるシャネル

グレー品の革

本物(1995年製造 ラムスキン)

本物の革

中村
中村

どれどれ、本物のラムスキンなら、動物の革独特の吸い付くような柔らかさがある。

しかし、合皮だと、柔らかさはなく、表面がテカっているはずだが。

堀井
堀井

偽物もやさしい柔らかさがありますね・・・。

中村
中村

(偽物を触って)たしかに柔らかいな・・・。では、もっとアップで見てみろ。

ラムスキンは表面にポツポツとした毛穴があるはずだ。

偽物の疑いがあるシャネル

グレー品の表面

本物(1995年製造のラムスキン)

本物の表面

堀井
堀井

どれどれ・・・(ジッと見る)。
偽物のほうにも毛穴らしき穴がありますよ。

中村
中村

となると、偽物もラムスキンを使用しているようだな・・・。

偽物はコストを抑えて、合皮を使うことが多いんだが、今回は違うようだ。

堀井
堀井

では、これは偽物の状況証拠にはなりませんね・・・。

中村
中村

そうだな。

縫い目をアップで見ると、偽物は糸の染色が雑!

中村
中村

今度はさらにアップにして、縫い目を見てみよう。

堀井
堀井

非常に細かいので、ルーペでアップにして見ますね。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物のステッチ

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のステッチ

本物(2015年製造のラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のステッチ

堀井
堀井

縫い目のどこに注目すればいいんでしょうか?

中村
中村

いいか、糸の色に注目してみるんだ!

偽物のステッチ糸の色

中村
中村

偽物の糸の色を見ると、ところどころ白くなっているところがある。

これは糸に染料がしっかりしみ込んでいない、安物の糸を使用している証拠だ。

堀井
堀井

本当だ!うっすらとですが、白い部分がありますね

中村
中村

肉眼では見づらいが、ルーペや虫メガネを使ってみると、こういうアラが見えてくることがあるのだ!

堀井
堀井

本物の糸は、均一に染められたしっかりしたものを使用しているようです。

中村
中村

かなり細かいところだが、こういう点をよく観察してみることがポイントだ。

偽物との勝負はターンロックに注目

中村
中村

お次は、このバッグの主役ともいうべき、シャネルマークのターンロック(バッグの留め金)を見てみよう!

ターンロックを見比べる

シャネルマークの金メッキに注目せよ

堀井
堀井

表面から見た感じは、偽物と本物のシャネルマークに違いはないようですね。

中村
中村

うむ、バランスよく作られていて、マークそのものは正確だな。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのターンロック

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のターンロック

本物(2015年製造のラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のターンロック

堀井
堀井

偽物の疑いがあるバッグの金具を見る時には、どんな点に注意すればいいでしょうか?

中村
中村

金メッキに映り込む風景がゆがんでないか、金属のバリが飛び出してないかをみるのだ。

堀井
堀井

偽物のシャネルマークのターンロックは、金メッキではありませんが・・・。

中村
中村

これは「アンティークシルバー」

金属がマットな仕上げになっているだけだ。

本物でもこの仕上げになっていることがあるから、偽物の証拠にはならない。

堀井
堀井

では、表面から見た範囲では、この偽物の金具はよくできているといえるのでしょうか。

中村
中村

うむ、マークの見た目からは、偽物の状況証拠と断定することはできないな。

ターンロックを横から見ると・・・痛恨のミスを発見!

中村
中村

では、ターンロックを横から見てみよう。

堀井
堀井

あっ!!

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックを斜めから見る

本物(2015年製造のラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のターンロックを斜めから見る

堀井
堀井

これはっ!!
偽物の金属部分に紫の塗料がベットリついていますね。

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックを斜めから拡大

中村
中村

うむ、雑な塗り方だし、こんな造りは本物ではありえない。

堀井
堀井

塗料のハゲた感じもヒドイですね・・・。

中村
中村

正規店で修理をすることはあるけれど、こうした金具部分の塗り直しというのは、本物のシャネルではしないはずだ。

堀井
堀井

やはりこれは、偽物確定でいいのではないですかね?

中村
中村

バカモ~ン!!なんど言ったらわかるのだ!

焦ってはいかん!他にも証拠がないか、観察していこう。

偽物には大工道具のネジが使われている(笑)

中村
中村

お次はターンロックの真ん中に取り付けられた金具に注目していこう。

偽物の疑いがあるシャネルのターンロック

堀井
堀井

本物と比べて見ていますが、紫バッグの金具は特に遜色ないような気がします。

中村
中村

たしかにこのまっすぐな棒だけ見ると、まだなんともいえないな。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックの真ん中に取り付けられた金具

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のターンロックの真ん中に取り付けられた金具

本物(2009年製造のキャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)のターンロックの真ん中に取り付けられた金具

中村
中村

この金具はクルクル回るから、この部分を引っ張って動かしてみよう。

堀井
堀井

では、真ん中のつまみを引っ張ってみます。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックの真ん中に取り付けられたつまみの中心

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のターンロックの真ん中に取り付けられたつまみの中心

本物(2009年製造のキャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)のターンロックの真ん中に取り付けられたつまみの中心

堀井
堀井

真ん中がよく見えるように、ホチキスの芯を間に挟んでみました。

真ん中の金具に普通のネジが使われている

中村
中村

偽物を見ろ!
真ん中の金具に普通のネジが使われているな。

堀井
堀井

本当ですね!
本物は軸がツルッとしていますが、偽物の軸は安物の部品です。

中村
中村

こういう廉価な部品が、シャネルの製品に使用されることはまずない。

堀井
堀井

では、偽物である可能性の証拠をまた1つ見つけたということになりますね!

バッグの中は偽物の証拠が見つかりやすい

中村
中村

今度はバッグの蓋を開けて、内側に偽物と疑わしき部分がないかを見つけていこう。

蓋を開けてみよう

ターンロックの裏側に注目

中村
中村

まずはターンロックの裏側にあたる金具に注目しよう。

堀井
堀井

先ほどのターンロックのつまみを通す穴の金具ですね。

ターンロック裏側を見比べる

堀井
堀井

ん!?
金具を留めているネジの穴が本物と偽物では違いますね!

偽物の疑いがある
シャネル

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックの裏側

本物(1995年製造の
ラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のターンロックの裏側

本物(2009年製造の
キャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)のターンロックの裏側

本物(2015年製造の
ラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のターンロックの裏側

中村
中村

本物は「マイナスねじ」を使用しているが、偽物のネジだけ「星形ねじ」だな。

偽物の疑いがあるシャネルのターンロックの裏側のねじ

堀井
堀井

六角形にも見えますが、正しくは六芒星(六つの角がある星型)ですね。

この形のネジをシャネルは使用しないのですか?

中村
中村

シャネルで星形ネジは見たことがない。

一部の製品(木やべっ甲を用いたもの)で「プラスねじ」を使用するぐらいだ。

堀井
堀井

では、これで証拠が1つ増えましたね!

中村
中村

偽物のアラは、表面よりも裏側に見つけやすい。

裏側をしっかり見ることが、偽物の発見につながることが多いな。

ファスナープルを見比べてみよう

中村
中村

今度はバッグの内側にあるファイスナープルに注目してみよう

偽物の疑いがあるシャネルのファスナープル

堀井
堀井

あれ?
偽物は「YKK」のファスナーを使用していますが、本物は「EP」社のファイスナーを使用しているようですね。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのファイスナープル

本物(2009年製造のキャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)のファイスナープル

本物(2015年製造のラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のファイスナープル

中村
中村

ところが、シャネルでもYKKのファスナーを使用している製品もあるんだよ。

堀井
堀井

そうなんですか?

中村
中村

ただし、シャネルが「YKK」のファスナーを使用する時は、「YKK」という刻印を潰して使用しているはずだ。

だから、「YKK」という刻印が残っているという点で偽物と疑っていいだろう。

堀井
堀井

シャネルでは「EP」という刻印は、潰さないんですね?

中村
中村

そうだ。
「EP」の刻印は、本物とみて間違いない。

偽物のファスナーを開けるとビックリの事実判明!

中村
中村

今度はファスナーを実際に開けてみよう。

偽物の疑いがあるシャネルのファスナーを開ける

堀井
堀井

あれれ~!

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのポケット

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のポケット

中村
中村

本物はファスナーを開けると、ここはポケットになっていて、物が入れることができるハズなのだが・・・。

堀井
堀井

偽物の疑いがある方は白い綿のようなものが挟まっているだけで、ファスナーの先が開けられません(笑)

中村
中村

ダミーでファスナーが付けられているだけだったのか。

ポケット内が経年劣化でベタついてしまい開かなくなることはあるが、これは明らかに本物と異なる作りになっているな。

さらに内側を拝見、内蓋を開けてみる

中村
中村

さらに内側を見ていこう。

シャネルのチェーンショルダーには、蓋の中にもうひとつ内蓋が付いている。

これを開いてみると・・・。

偽物の疑いがあるシャネルの内側を開ける

偽物の疑いがあるシャネルの内蓋を開けた状態

偽物を見分ける定番 ホックの金具

中村
中村

内蓋を開けると、内ブタのホックの受け側があるから、ここに注目してみよう。

偽物の疑いがあるシャネルの内ブタのホックの受け側

中村
中村

ほかのブランドでも、偽物と本物を見比べる時に、ホックの受け側の留め具をチェックすることは多いな。

堀井
堀井

このホックの受け側の留め具には、「CHANEL PARIS」と刻印されるのが普通なのでしょうか?

黒の本物には「CHANEL PARIS」の刻印がありませんが・・・。

中村
中村

製造が古いチェーンショルダーは、必ずしも「CHANEL PARIS」の刻印があるとは限らないんだ。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるシャネルのホック

本物(1995年製造のラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のホック

本物(2015年製造のラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のホック

堀井
堀井

では、ホックの受け側の留め具をチェックする時、どこに注目すればいいですか?

中村
中村

金属の文字の刻印が潰れているなど、留め具が汚いと偽物の疑いが濃い。

堀井
堀井

でも、この偽物の刻印は、キレイですね。

「CHANEL PARIS」の文字もしっかり見えます。

中村
中村

たしかに刻印自体はキレイだ。

ただし、よく見ると文字に紫の色が付けられているのがわかる。

偽物の疑いがあるシャネルのホック拡大

堀井
堀井

本当だ!
ホックの刻印に色が付いているのは、偽物だけでしょうか?

中村
中村

私は、本物のホックの刻印に色が付けられているのを見たことがない。

ただし、シャネルのチェーンショルダーはさまざまなバージョンが作られているから、これだけで偽物とは断言しにくい・・・。

堀井
堀井

なるほど、シャネルのチェーンショルダーは、やはり見分けるのが難しいんですね。

内ブタの裏側にあるシャネルマークに注目

中村
中村

今度は内蓋を開けたところにあるシャネルマークのステッチを見比べてみよう。

偽物の疑いがあるシャネルの内蓋を開けたところにあるシャネルマークのステッチ

偽物の疑いがあるシャネルの内蓋を開けたところにあるシャネルマークのステッチ拡大

堀井
堀井

これは、どの部分に注目すればいいでしょうか?

偽物の疑いがある
シャネル

偽物の疑いがあるシャネルのステッチ

本物(1995年製造の
ラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)のステッチ

本物(2009年製造の
キャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)のステッチ

本物(2015年製造の
ラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)のステッチ

中村
中村

出来の悪い偽物は、シャネルマークのステッチに次のような特徴があるものだが・・・。

  • ステッチがガタガタ
  • 「C」の太さが均一になっていない
  • 「C」の上下の重なる部分が逆になっている

堀井
堀井

今回の偽物の可能性が高いバッグの「Cマーク」は、一応それらのポイントはクリアしていますね。

中村
中村

このステッチの点においてはアウトとはいえないな・・・。

堀井
堀井

ううむ、本当にシャネルの偽物は手強いですね・・・。

シャネルマークの下にある「CHANEL ®」の文字を検証

中村
中村

まだあきらめてはいかんぞ!

シャネルマークのステッチの下にある、「CHANEL ®」の刻印を検証してみよう。

偽物の疑いがあるシャネルの内蓋を開けたところにあるシャネルの刻印拡大

中村
中村

この「CHANEL」の刻印は、文字が革にプレスされていて、その溝に金具と同じ色の塗料が塗られているのが特徴だ。

本物と見比べてみたまえ。

偽物の疑いがある
シャネル

偽物の疑いがあるシャネルの刻印

本物(1995年製造の
ラムスキン)

本物(1995年製造のラムスキン)の刻印

本物(2009年製造の
キャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)の刻印

本物(2015年製造の
ラムスキン)

本物(2015年製造のラムスキン)の刻印

堀井
堀井

うーん・・・。
偽物を見ると、本物と比べてプレスが弱く、文字の凹凸が浅いような気がしますね。

中村
中村

たしかに文字にメリハリがない感じはするな・・・。

堀井
堀井

文字の中の塗料も、色ムラが多いように見えますね。

中村
中村

ただし、この刻印の塗料は、ひとつずつ手作業で行われているから、個体差もあるんだ。

本物であっても、塗料がにじんだりすることがあるから、ここだけでアウトと判断するのは厳しいな。

堀井
堀井

うーん、キメ手に欠くポイントなのですね。

中村
中村

ちなみに、1995年製造のラムスキンの本物の下には「MADE IN FRANCE」の刻印がないけれど、この年代のチェーンショルダーはバッグの内側に刻印があるんだ。

本物(1995年製造のラムスキン)

この年代のチェーンショルダーはバッグの内側に刻印

堀井
堀井

なるほど、やはりマイナーチェンジが多いですね。

シリアルナンバーにも注目

中村
中村

最後にバッグの中にあるシリアルナンバーをチェックしよう。

堀井
堀井

シリアルナンバー、つまりバッグの製造番号ですね!

中村
中村

チェーンショルダーのシリアルナンバーは、バッグの内側のハジに付けられている。

バッグの中にあるシリアルナンバー

堀井
堀井

どのバッグも、この辺りにシリアルナンバーが付いているのでしょうか?

中村
中村

チェーンショルダーの場合は、だいたいこの場所だな。

中村
中村

バッグを裏返して、このシリアルナンバーの数字に注目してみよう。

偽物の疑いがあるバッグの中にあるシリアルナンバー

堀井
堀井

『2』や『7』の斜め部分が少しギザギザしていて、昔のワープロの文字みたいですね。

中村
中村

実は、そのシリアルナンバーの数字がギザギザしているのは本物の証なんだ。

それから、シール部分に数色のラメが散りばめられている点も本物のシールの特徴。

堀井
堀井

では、これは本物に違いないということでしょうか。

中村
中村

シリアルナンバーの文字が青っぽく描かれていると、偽物の可能性が高いんだがな。

実は、シリアルナンバーを内側から見るとこんな風に見えるんだよ。

偽物の疑いがあるシャネル

偽物の疑いがあるバッグの中にあるシリアルナンバーにブラックライトを当てる

本物(2009年製造のキャビアスキン)

本物(2009年製造のキャビアスキン)の中にあるシリアルナンバーにブラックライトを当てる

堀井
堀井

ブラックライトを当てると青く見えるんですね。

陽の光では見えなかったピンクのラインが浮かび上がっています。

中村
中村

うむ。こうやってブラックライトを当てるとキチンと数字が読めるのは、本物のシールが貼られているということだ。

周りのブルーの糸くずの光りかたもほぼ一緒だから、シールに関していえば、本物だといえる。

堀井
堀井

うぅぅ・・・。
では、やはりこの紫のチェーンショルダーは本物なんでしょうか?

中村
中村

いや、ここまでの状況証拠からすると、このシールがキメ手になるとは思えない。

もしかしたら本物からはがしたシールを貼り直した可能性も考えられる。

堀井
堀井

えぇっ!?そんなことが!?

中村
中村

そもそもカンタンにはがして貼ることができるシールではない。

しかし、もしかしたら、その技術を持つセミプロが偽造に加担しているのかもしれない・・・。

堀井
堀井

うぅぅ・・・、ではやはりこれを偽物と確定するには、状況証拠から判断するしかないのですね・・・。

結論:紫シャネルのチェーンショルダーは偽物だったのか?

堀井
堀井

ここまで、紫のチェーンショルダーを、3つの本物と見比べてきましたが、結局このバッグは偽物と判断していいのでしょうか?

中村
中村

では、これまで検証してきた偽物と疑われる状況証拠を振り返ってみよう。

偽物と思われる品物

  • 革の表面の縫い糸が、染色が甘い粗末な糸を使用している
  • ターンロックの金属部分に謎の塗料がベットリ、塗りかたも雑
  • ターンロックのつまみの部品に、普通のネジが使用されている
  • ターンロックの内側の金具に、シャネルでは見かけない「星形ネジ」が使用されている
  • ファスナープルに、本物にないはずの「YKK」の刻印
  • 内側のファスナーを開けたら、中がポケットになっていなかった

堀井
堀井

偽物というにはキメ手に欠くような気がしていましたが、これだけ偽物の証拠が揃っていたのですね・・・。

中村
中村

そうだな。
これだけの証拠があれば、偽物確定といっていいだろう・・・。

堀井
堀井

しかし、今回のシャネルを偽物と見抜くのはなかなか難しかったですね・・・。

中村
中村

偽物の職人の技術も進化しているから、最近は偽物といえども侮れないんだよ。

だから、状況証拠を積み重ねて、相手を追い詰めるしかないんだ。

堀井
堀井

なるほど、では我々ブランド査定士は多くの本物や偽物を見て、自分の目を養っていかなくてはいけませんね。

中村
中村

その通り!
本物を見分けるには、自己研鑽しかないのだ!

堀井
堀井

がんばります~!

まとめ

中村
中村

いかがでしたか?今回は我々ブランド査定士が、シャネルのバッグの本物と偽物を見分ける際にチェックしているポイントを、少しだけご紹介させていただきました。

一般の方がブランドの本物と偽物を見分けるのは難しいと思いますが、ご自分でセルフチェックしたいときは、今回紹介したポイントをぜひ参考にしてみてください。

シャネルのチェーンショルダー(革)の偽物を見分けるポイント
  • 表面の革について
    • 革に合皮のようなテカリがある
    • 動物の革独特の吸い付くような柔らかさがない
    • 動物の革独特の毛穴がない
    • 革の表面の縫い糸が、染色が雑で粗末な糸を使用している
  • ターンロックや金具について
    • シャネルマークの「C」のバランスが悪い
    • 金具のメッキに映り込む風景がゆがんでいる
    • 金具に金属のバリが出ている
    • 金具の側面に塗料の跡など、雑な仕上げになっている
    • 市販で売られているような廉価な部品が使用されている
    • 星形のネジが使用されている
    • ホックの受け側の留め具の文字が潰れている
  • ファイスナーについて
    • ファスナープルに「YKK」の刻印が残っている
    • ファスナーを開けても、作りのしっかりしたポケットがない
  • 内側のシャネルマークのステッチ
    • 縫い目がガタガタしている
    • 「C」の太さが均一になっていない
    • 「C」の上下の重なる部分が逆になっている

中村
中村

これらのポイントをチェックしても、なかなかおひとりで真贋の判断をするのは難しいかもしれません。

もし、専門家に本物かどうか判定して欲しいというお客様は、正規ブティックへお持ち込み頂くのもひとつの手段です。

なお、シャネルのチェーンショルダーバッグは年数が経過していても状態次第で高価買取が可能ですよ。

ご自宅で眠っているシャネルのバッグがありましたらぜひ大黒屋へご相談ください。スタッフ一同お待ちしております!

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