楽器の盗難には、いくつかのパターンがあります。
今回はその被害のパターンから、「楽器が盗まれやすい場所はどこなのか?」について考えてみることにしました。
楽器盗難の被害状況には、大きく分けて3つのタイプがあります。
- 計画的にたくさんの楽器を盗む「空き巣タイプ」
- 希少価値のある楽器を盗む「コレクタータイプ」
- 行き当たりばったりで犯行「通り魔タイプ」
計画的にたくさんの楽器を盗む「空き巣タイプ」
このタイプは、
- 演奏終了後のライブハウスから盗む
- 車上荒らしで盗む
- 機材車ごと盗む
など、プロ(アマ)の演奏家の楽器や機材を狙っているケースが多いです。
また、
などに侵入し、ごっそり盗まれるといった被害も見受けられました。
このタイプは、コレクション目的よりは換金目的が強いようで、楽器に詳しい人間が犯人ではないと思われます。
楽器店が被害に遭ったケースでは、箱つき音叉の棒など、「こんなもの盗んでどうする?」といったものまで盗まれています。
希少価値のある楽器を盗む「コレクタータイプ」
このタイプの場合、
- 展示会場、博物館から盗む
- レンタルバイオリン会社「シャコンヌ」の展示会会場から、白昼、警備の目を盗んで、ガルネリタイプのオールドバイオリンが盗まれるという事件が起きたことがあります。
- 所有者の自宅から盗む
- 高価なクラッシック楽器は、所有者の自宅に侵入され、盗まれるという事例が多いようです。
高価で希少価値の高い楽器は通常のルートで転売できません。
鑑定書や輸出のためにインボイスが必要になるなど、法律上の規制があるからです。
しかし、海外にはこうした楽器のブラックマーケットがあり、不法、違法な方法で国外へ持ち出されている可能性は否定できません。
また、クラッシック楽器以外でも、アニメ「けいおん」のキャラクターが使っていた楽器のコピーモデルや、ミュージシャンがデザインして特注したもの、サイン入り楽器など、「ピンもの」を狙って盗まれる事件も発生しています。
行き当たりばったりで犯行「通り魔タイプ」
まったく計画性もなく、その場の思いつきで盗みを働くケースです。
- 電車などの公共交通機関での置き引き
- 飲食店などから盗む
ちょっと目を離した隙に持っていかれるケースが多いようです。
こうした盗難に遭いやすいのは、小型の金管楽器やバイオリン、エフェクターやシンバルなど、「持ち出されても目立たない小さなもの」。
元々、持ち運びやすいケースもついていますし、裸で持ち出しても大きめのバッグに入れて運んでしまえば分かりません。
フォークギターやエレキギターなどはケースごと持ち出されてしまうようですね。
このパターンの場合、盗難現場からそう遠くない場所にある楽器店や質屋から発見されることが多くあり、他のパターンに比べて、比較的、発見率の高いタイプといえます。
ただし、盗品と気付かれないまま転売されていた場合、法律上(民法94条2項)楽器を取り戻すためには、購入者から改めて購入してするよりほかありません。(無保険の場合)
また、非常に稀ですが、河原などで練習していたストリートミュージシャンが暴漢に襲われて楽器を奪われるという事件も起きています。
このような事件はいずれも人気の少ない場所で起きていますので、ストリートパフォーマンスを行う際は、人気の多い路上で行ったほうがいいかもしれません。