そうなると、次に気がかりなのは「盗まれた楽器はどこに行ってしまうのか?」ということだと思います。
盗まれた楽器を取り返すためにも、「盗まれた楽器の行方」を知っておくことは重要ですね。
ここでは、盗難被害に遭った楽器の行方についてまとめてみたいと思います。
盗む動機は「売るため」
物を盗むからには、必ず何らかの動機があるはずです。
楽器の所有者に恨みがあり、嫌がらせのために盗むケース、犯人が楽器コレクターで自分のコレクションに加えるために盗むケースもゼロではないと思われますが、圧倒的に換金目的のケースが多いですね。つまり、売るため――お金目当てで盗んでいるということです。
そのため、転売しようとした先で盗品であることが発覚し、無事に回収されることも少なくありません。
一方、犯人のコレクション目的で盗まれたものは、その後、表に出てくることがないので、行方不明のままになってしまうことが多いようです。
持ち込まれやすい転売先はどこ?
では、犯人が楽器の転売先に選ぶお店はどのようなところでしょうか?楽器ごとに傾向があるので、ご紹介します。
- 金管・木管楽器のうち、初心者〜中級レベル、アマチュア演奏者向けの楽器
- 盗難後、すぐにリサイクルショップや質屋など、手っ取り早く換金できるところへと持ち込まれることが多いようです。
- 海外の人気ブランドギター、オールド、セミカスタムモデルのギター
- 中古楽器として楽器店に持ち込まれるケースが多いとのことです。(エレキギターはクラシックの楽器と異なり、保証書提示の不要であることが多い。)
ただし、廃番になっているオールドモデルなど、貴重なモデルについては、絶対数がそれほど多くないので、店側も盗品をかなり警戒しています。売るときに店側から追求され、たじたじになった犯人が楽器を持って逃走したという例もあるようです。
- 金管楽器、高価格のエレキギター、パーツを外しても価値のある楽器
- 分解されてパーツとしてオークションで転売されるケースもあります。犯行の痕跡が残りにくくなります。犯人が直接売却するので、質屋・楽器店のスタッフに怪しまれることもありません。特に、エレキギターのピックアップなどは、パーツとしての人気が高いため、パーツのみの販売がされやすいようです。
- バイオリンやバロック古楽器、プロフェッショナル仕様の金管、木管楽器
- 盗難に遭った後、全く消息がつかめないという傾向が高いです。
海外にはこうしたオールドモデルのブラックマーケットがあり、美術品として高値でオークションにかけられているのだとか・・・。
こういったブラックマーケットについて実態が不明であり、「コレクターの手元で厳重に保管されている可能性が高い」という意見もありますが、どちらにしても盗難後の行方はわからないことが多く、発見される可能性も非常に低いのが現状のようです。