買取担当者はカメラのどこを見て買取価格を決めているのか、メーカー・機種・保存状態等によってどの程度価格に差がつくのか詳しく教えてもらいました。
このような点をチェックして買取価格を決めています。
- ●メーカー
- ●機種
- ●発売年代
- ●保存状態
- ●付属品の有無
デジタル一眼レフカメラの買取価格について、これらのポイントをもとに詳しく解説していきましょう。
メーカーによる価格差
デジタル一眼レフカメラは、メーカーによって買取価格に一定の価格差があると考えてください。
主要なメーカーを比較すると以下のようになります。
主要メーカーのデジタル一眼レフカメラ(新品) 2025年12月現在 |
| メーカー |
ニコン |
キヤノン |
富士フイルム |
ソニー |
買取価格 イメージ |
高め |
高め |
高め |
まあまあ高め |
| 機種名 |
 D7500 |
 EOS R50 V |
 X-S20 |
 ILCE-7M3 |
| 定価 |
約11万円 |
約11万円 |
約19万円 |
約25万円 |
| 査定額 |
80,000円 |
76,000円 |
140,000円 |
155,000円 |
このなかでも、ニコンとキヤノンはデジタル一眼レフカメラの2大メーカーで、高値がつきやすいです。
富士フイルムもデザインがよく人気の高いものは値段が安定して高いですね!
流通量が多く需要があれば、価格は安定します。
またここにはありませんが、ライカは定価が高くコレクターズアイテムとしても人気があるので、中古市場でもかなりの高値で取引されていますね。
性能による価格差
性能によってはどのように価格に差がつくのでしょうか?
デジタル一眼レフは、性能によって以下の3つのレベルに分かれます。
入門機 … アマチュアから初心者が使用
中級機 … セミプロからアマチュアまで使用
上級機 … プロ用
上級機になるほど買取価格は高くなります。
キヤノンのミラーレス一眼カメラ(ボディのみ)の、上級機~入門機の査定額を比較してみましょう。
キヤノンのミラーレス一眼カメラ査定額(状態の良い中古品の場合) 2025年12月現在 |
| 機種名 |
 EOS R1 |
 EOS R5 Mark II |
 EOS R50 |
| 性能レベル |
上級機 |
中級機 |
入門機 |
| 発売年 |
2024年 |
2024年 |
2025年 |
| 定価 |
約109万円 |
約65万円 |
約11万円 |
| 査定額 |
695,000円 |
420,000円 |
64,000円 |
キヤノンEOS R1は上級機のプロフェッショナルモデルとなり定価も高いので査定額も高くなります。
また、センサーサイズや高速連続撮影ができるかどうかで価格が大きく変動します。
EOS R5 Mark IIは中級機という位置付けで、上級機よりもやや査定額は下がります。
入門機(初心者用)のEOS R50は、上級機、中級機、入門機の中で査定額は最も低くなります。
ただ、新品から見た買取の掛け率は、定価と比べると需給の関係で入門機種のほうが高いです。
入門機種では上級機種と比べ軽量化されていたり、操作が簡単だったりといい面もあるので一概に定価が高い上級機種が全て優れているとも言い難いのです。
発売年による価格差
発売年によって、価格はどれくらい変動するのですか?
デジタル一眼レフカメラは、基本的に1~5年スパンで新機種が発売されており、製造年が新しいものほど高値が付きます。
キヤノンの上級機シリーズの査定額を比較してみましょう。
キヤノンシリーズの査定額(状態の良い中古品の場合) 2025年12月現在 |
| 機種名 |
 EOS-1D X Mark III |
 EOS R3 |
 EOS R1 |
| 発売年 |
2020年 |
2021年 |
2024年 |
| 定価 |
約95万円 |
約79万円 |
約109万円 |
| 査定額 |
250,000円 |
275,000円 |
695,000円 |
似たようなシリーズであっても、新機種が発売されるごとに、古い機種は価格が定価と比べると下がっていきます。
入門機種にも上級機種と同じことが言えます。
キヤノンの入門機シリーズの査定額(状態の良い中古品の場合) 2025年12月現在 |
| 機種名 |
 EOS Kiss X10 |
 EOS Kiss M2 |
 EOS R50 |
| 発売年 |
2019年 |
2020年 |
2025年 |
| 定価 |
約9万円 |
約7万円 |
約11万円 |
| 査定額 |
53,000円 |
54,000円 |
64,000円 |
以前は上級機種のほうが査定額が高くなりやすい傾向がありました。
しかし、現在は若い世代の方にもカメラの需要が出てきた為、入門機種も値段が落ちづらくなってきています。
保存状態による価格差
保存状態はどのような点をチェックしているのですか?
デジタル一眼レフは、主に以下の点をチェックしています。
- ●グリップ(樹脂)部分のベタつきがないか

- ●ダイヤルがきちんと反応するか

- ●凹んでいないか、キズはないか
- ●動作に問題はないか
- ●撮影画像がメディアに記録されるか
見た目だけでは分からないことに関しても、実際に手に取って動かしてみて細かくチェックします。
査定をスムーズに行うためにも、あらかじめ充電した状態でお持ちいただくとよいですね。
保存状態によってどれくらい買取価格に差が出るのでしょうか?
大黒屋では独自のチェック項目を設け、カメラをランク付けしています。
ランクによる査定額の差は以下の通りです。
キヤノンR1の状態による査定額の比較 2025年12月現在 |
| ランク |
状態 |
査定額 |
| 良 |
Nランク |
買った状態のまま一度も使用していない |
750,000円 |
 |
Aランク |
数回の使用でキズもなくキレイ |
~695,000円 |
| Bランク |
通常使用で小キズ程度 |
~590,000円 |
| Cランク |
使用感が目に見えキズ多数 |
~450,000円 |
| 悪 |
Dランク以下 |
かなり使用感あり |
~300,000円 |
Nランクとは、新品状態のことをさします。
一度だけ箱を開けてみたくらいなら、Nランクと言えるでしょう。
付属品の有無
バッテリーや充電器(チャージャー)の有無は査定額に大きく影響する場合があります。
もしカメラの充電がなく動作の確認ができないと、お買取り自体ができないこともあります。
互換性のあるバッテリーが店舗にあれば査定できますが、充電器(チャージャー)が無い場合や社外バッテリーの場合は減額対象となります。
 |
 |
| カメラのバッテリー |
カメラの充電器 |
バッテリーや充電器(チャージャー)がどうしても見つからない場合は、ひとまず店舗にお持込みいただきご相談ください。
一方、カメラのストラップやカメラのケースの有無は買取価格に影響しません。
レンズがセットになっていると、査定額に影響しますか?
もちろん、レンズはボディと同じように価値のあるものですから、一緒にお持ちいただければ買取価格はアップします。
入門機にはレンズとボディがセットになった「レンズキット」という商品があり、セットで持ち込まれるお客様も多いです。
レンズはボディよりも買取価格が安定しています。保存状態さえよければ、製造年代が古くても値崩れしにくいのです。
レンズの査定額の一例をご紹介しましょう。
各メーカーのレンズ査定額(新品) 2025年12月現在 |
| メーカー |
ニコン |
キヤノン |
シグマ |
タムロン |
| 機種 |
 NIKKOR Z 50mm f/1.2 S |
 RF28-70mm F2.8 IS STM |
 24-70mm F2.8 DG DN II |
 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD |
| 定価 |
308,000円 |
188,100円 |
198,000円 |
107,800円 |
| 査定額 |
201,000円 |
145,000円 |
140,000円 |
65,000円 |
レンズはカメラメーカーだけでなく、シグマやタムロンなどレンズ専門メーカーからも発売されています。
ただし、メーカーで査定額に差がつくことは基本的になく、あくまでレンズそのものの価値で判断されます。
レンズを査定するときはどのような点をチェックしているのですか?
レンズはとてもデリケートなアイテムですから、このような点をチェックしています。
このような点が見受けられると、査定額が減額となる場合があります。
もちろんボディと同じように、定価が高く、高性能の商品であれば、多少状態が悪くてもそれなりの値はつきますね。