買取担当者はカメラのどのようなところをみて、買取価格を決めているのでしょうか。
メーカー、機種、カメラの保存状態によってどの程度価格に差がつくのかを、詳しく教えてもらいました。
このような点をチェックして買取価格を決めています。
- ●メーカー
- ●機種
- ●発売年代
- ●保存状態
- ●付属品の有無
デジタル一眼レフカメラの買取価格について、これらのポイントをもとに詳しく解説していきましょう。
メーカーによる価格差
デジタル一眼レフカメラは、メーカーによって買取価格に一定の価格差があると考えてください。
主要なメーカーを比較すると以下のようになります。
メーカー |
ニコン |
キャノン |
オリンパス |
ソニー |
買取価格の イメージ |
高め |
高め |
まあまあ高め |
まあまあ高め |
機種名 |
D7500 |
EOS 9000D |
OM-D E-M5 Mark II |
α7 II ILCE-7M2 |
参考定価 |
約13万円 |
約11万円 |
約9万円 |
約15万円 |
大黒屋の査定額 |
72,000円 |
59,000円 |
47,000円 |
90,000円 |
このなかでも、ニコンとキャノンはデジタル一眼レフカメラの2大メーカーで、高値がつきやすいです。
流通量が多く、需要があれば、価格は安定します。
またここにはありませんが、ドイツの高級カメラメーカー「ライカ」は、定価が高くコレクターズアイテムとしても人気があるので、中古市場でもかなりの高値で取引されていますね。
性能による価格差
性能によってはどのように価格に差がつくのでしょうか?
デジタル一眼レフは、性能によって以下の3つのレベルに分かれます。
入門機 … 初心者が使用
中級機 … セミプロからアマチュアまで使用
上級機 … プロ用
上級機になるほど買取価格は高くなります。
ニコンのデジタル一眼レフカメラ(ボディのみ)の、上級機~入門機の査定額を見てみましょう。
ニコンのデジタル一眼レフの査定額(状態の良い中古品で比較) 2019年3月現在 |
機種名 |
D5 |
D850 |
D7500 |
性能レベル |
上級機 |
中級機 |
入門機 |
発売年 |
2016年 |
2017年 |
2017年 |
参考定価 |
約70万円 |
約35万円 |
約13万円 |
撮像素子 |
FX |
FX |
DX |
状態の良い中古の査定額 |
300,000円 |
200,000円 |
60,000円 |
ニコンでは、機種名の数字が小さくなるほど上級機(プロ用)となり、査定額も高くなります。
800番台は中級機という位置付けで、上級機よりもやや査定額は下がります。
ちなみに「アメト――ク」の「カメラかじっている芸人」で小籔さんがお持ちだったカメラが、中級機のニコンのD700です。
さらに7000番台は入門機(初心者用)で、上級機、中級機、入門機の中で査定額は最も低くなります。
上級機と入門機では、なぜ金額に開きがあるのでしょうか?
上級機は、プロの写真家が使用する高性能なカメラで、定価も高いです。
性能は撮像素子(イメージセンサー)によって差がつきます。
※撮像素子とは画像を記録するサイズのことで、サイズが大きいほど、画像を拡大してもぼやけず鮮明にプリントされます。
ニコンのデジタル一眼レフのボディの側面に、「FX(フルサイズ)」や「DX(APS-Cサイズ) 」と書かれているのが撮像素子のサイズで、「FX」の方がサイズは大きく、価格も高めです。
現在のニコンでは上級機は「FX(フルサイズ)、中級機・入門機は「DX(APS-Cサイズ)」となっています。
また2007年以降に発売されたニコンの上級機は、ほぼ「FX」を採用しているため、高値が付きやすいんです。
発売年による価格差
発売年によって、価格はどれくらい変動するのですか?
デジタル一眼レフカメラは、1~3年スパンで新しい機種が発売されており、製造年が新しいものほど高値が付きます。
ニコンの上級機「D3、D4、D5」シリーズの査定額を見てみましょう。
ニコン「D3」「D4」「D5」シリーズの査定額(状態の良い中古品の場合) 2019年3月現在 |
機種名 |
D3 |
D3X |
D3S |
D4 |
D4S |
D5 |
発売年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
2012年 |
2014年 |
2016年 |
参考定価 |
約45万円 |
約50万円 |
約50万円 |
約55万円 |
約60万円 |
約70万円 |
大黒屋の査定額 |
30,000円 |
80,000円(※) |
40,000円 |
100,000円 |
150,000円 |
300,000円 |
※D3Xに関してはグレードの高い機種になるので査定額がアップしています。
同シリーズであっても、新機種が発売されるごとに、古い機種は価格が下がっていきます。
入門機にも同じことが言えます。D7000シリーズで見てみましょう。
ニコンのD7000シリーズの査定額(状態の良い中古品の場合) 2019年3月現在 |
機種名 |
D7000 |
D7100 |
D7200 |
D7500 |
発売年 |
2010年 |
2013年 |
2015年 |
2017年 |
参考定価 |
約10万円 |
約11万円 |
約13万円 |
約13万円 |
大黒屋の査定額 |
10,000円 |
15,000円 |
30,000円 |
60,000円 |
入門機は、あまり古過ぎると値段を付けるのが難しくなってしまいます。
古い機種でかろうじて値段が付けられる入門機は、2002年発売の「D100」までで、状態が良くても1000円ほどです。
上級機と入門機を比べてみると、古くても上級機のほうが値段が付きやすい傾向にあると言えるでしょう。
保存状態による価格差
保存状態はどのような点をチェックしているのですか?
デジタル一眼レフは、以下の点をチェックさせて頂いています。
- ●グリップ(樹脂)部分がベタベタしていないか
- ●ダイヤルがきちんと反応するか
- ●凹んでいないか、キズはないか
- ●動作に問題はないか
- ●撮影画像がメディアに記録されるか
見た目だけでは分からないことに関しても、実際に手に取り動かし、細かくチェックします。
ちなみに査定をスムーズに行うためにも、あらかじめ充電した状態でお持ちいただくとよいですね。
保存状態によってどれくらい買取価格に差が出るのでしょうか?
大黒屋では独自のチェック項目を設け、カメラをランク付けしています。
ランクによる査定額の差は以下の通りです。
ニコンD5の状態による査定額の比較 2019年3月現在 |
ランク |
状態 |
大黒屋の査定額 |
良 |
Nランク |
買った状態のまま一度も使用していない |
400,000円 |
|
Aランク |
数回の使用でキズもなくキレイ |
~300,000円 |
Bランク |
通常使用で小キズ程度 |
~250,000円 |
Cランク |
使用感が目に見えキズ多数 |
~200,000円 |
悪 |
Dランク以下 |
かなり使用感あり |
~100,000円 |
Nランクとは、保証書もそのまま、ほぼ新品状態のことをさします。
一度 箱を開けてみたくらいなら、Nランクといえるでしょう。
付属品の有無
もしカメラの電池がなく動作の確認ができないと、買取りをお断りすることがあります。
互換性のある電池が店舗にあれば査定できますが、充電器が無い場合、買取価格が5000円ほど下がってしまうかもしれません。
|
|
カメラの電池 |
カメラの充電器 |
どうしても見つからない場合は、とりあえず店舗にお持込みいただき、ご相談ください。
一方、カメラのストラップやカメラのケースの有無は買取価格に影響しません。
レンズがセットになっていると、査定額に影響しますか?
もちろん、レンズはボディと同じように価値のあるものですから、一緒にお持ちいただければ買取価格はアップします。
入門機にはレンズとボディがセットになった「レンズキット」という商品があり、セットで持ち込まれるお客様も多いです。
レンズはボディよりも買取価格が安定しています。保存状態さえよければ、製造年代が古くても値崩れしにくいのです。
レンズの査定額をご紹介しましょう。
メーカー |
ニコン |
キャノン |
シグマ |
タムロン |
機種 |
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR |
EF70-300mm F4-5.6 IS II USM |
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM |
Tamron 70-210mm F/4 Di VC USD |
参考定価 |
94,000円 |
72,000円 |
105,000円 |
95,000円 |
大黒屋の査定額 2019年3月現在 |
45,000円 |
35,000円 |
40,000円 |
40,000円 |
レンズはカメラメーカーだけでなく、シグマ、タムロンなどレンズ専門メーカーからも発売されています。
ただし、メーカーによって査定額に差がつくことはなく、あくまでレンズそのものの価値で判断されます。
レンズを査定するときはどのような点をチェックしているのですか?
レンズはとてもデリケートなアイテムですから、このような点をチェックさせて頂いております。
このような点が認められると、買取価格が減額されたり、買取をお断りすることもあるかもしれません。
もちろん、ボディと同じように、定価が高く、高性能の商品であれば、多少状態が悪くてもそれなりの値はつきますね。