近年、円安や物価高、原材料費の高騰などの影響を受けて様々なブランド品の定価改定が行われていますが、それはルイヴィトンも例外ではありません。2023年には計4回の値上げが実施され、中には定価が数万円も上昇した商品もありました。しかし、定価が何度も値上がりしたにもかかわらず、ルイヴィトンの需要は依然として高いままです。主な理由として、円安によるインバウンド需要の上昇が挙げられます。歴史的な円安と免税によって、より安くルイヴィトン製品を購入できる日本で外国人観光客がルイヴィトンを買わない理由がありません。

さらに、中国やインドを中心とする巨大な新興市場での旺盛な需要も理由の一つです。2か国合計で28億超の人口を抱えるこの巨大な市場では、急速な経済成長とともに中間層の拡大が進んだ結果、特に中国では消費者の購買力が増し、高級ブランド品への需要が急増しています。インドでも経済成長に伴い、中産階級の数が増加しており、ルイヴィトンのような高級ブランド品への関心が高まっているのです。

また、中古市場の需要が高いこともルイヴィトンを高額買取できる理由の一つです。ルイヴィトンは定期的に有名デザイナーとのコラボレーションモデルや限定モデルを発売します。このような限定商品は基本的に再販されず、終売した後に手に入れたい場合は中古品を購入するしか方法がありません。さらに、ルイヴィトンはセールを一切行わないため、新品より安く購入できる中古品を求めるお客様が非常に多いことも相場高騰の一因となっています。