ダイヤモンドは高品質なものと、そうでないものとで分けられるとのことですが、どんなダイヤモンドが高品質なのでしょうか。みなさんの持っているダイヤの価値を調べる方法について聞きました。
質の高いダイヤモンドかどうかはどのように見分けるのですか?
昔からみんなが憧れるダイヤモンドは、一番最初に目に飛び込んでくる「輝き」が重要で、光を反射すればするほど「良い石」とされてきました。
それをどのようにそれを判断するかというと、次の4つの基準があります。
- ● 重量(カラット)
- ● 色(カラー)
- ● 透明度(クラリティー)
- ● 技術加工(カット)
これはアメリカにある国際的なダイヤモンド鑑定機関「GIA(米国宝石学会)」が定めたもので、世界共通の基準です。4つの頭文字を取って「4C」と呼ばれています。
この4Cのグレードが高いものは、一目見て「輝きが美しい」という印象を受けるダイヤモンドとされています。
ダイヤモンドの品質を決める4Cは、買取査定時は誰が判断するのですか?
査定担当者です。ダイヤモンド商品の購入時に付属される鑑定書がある場合は、それを元に査定担当者が4Cの情報を照合します。
鑑定書は各宝石鑑定機関が発行したもので、皆様がお持ちのダイヤモンドの鑑定書には4Cのグレードが記号で記されているはずです。
主な鑑定機関には、GIAや中央宝石研究所(CGL)などがあります。
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中央宝石研究所が発行したダイヤモンドの鑑定書 |
ブランドジュエリーのダイヤモンド商品には、GIAの鑑定書が付属していることが多いです。(ノンブランド品でもGIAの鑑定書が付けられているものがあります)。
お手元に鑑定書があれば、お客様のダイヤモンドの価値がわかりますので、この鑑定書の見方を簡単にご紹介しましょう。
●カラット(Carat Weight)重さ |
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ダイヤモンドの重量を記したものです。
ダイヤモンドはグラムではなく、カラットという単位を用います。
もちろんカラット数が大きいほど、査定額は高くなります。
1カラットが0.2グラム、5カラットが1グラム(1円玉と同じ重量)です。
重さによる価格差は以下の通りです。
ティファニーセッティング(ダイヤモンドとプラチナの婚約指輪)カラット数で買取価格を比較 |
カラット |
定価(税抜) |
大黒屋の買取価格 (2025年03月現在) |
0.25カラット
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定価274,000円~ |
~3万円前後 |
0.5カラット
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定価550,000円~ |
~10万円前後 |
1カラット
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定価1,723,000円~ |
60万円前後 |
ダイヤモンドの買取りでは、1石あたり0.2カラット以上から評価がつくと言われています。
0.2カラット以下は、「メレダイヤ」と呼ばれる小粒のダイヤモンドで、品質によってバラつきがありますが、数百円~数千円の金額になることが多いです。
結婚指輪でもシンプルなものではなく、女性側の指輪にメレダイヤをあしらったものやワンポイントでさりげなくセッティングされたものがございます。
ワンポイントですとお値段がつられない場合が多いですが、ある程度まとまったメレダイヤがセッティングされている場合プラス評価が可能です。
婚約指輪ですと、普段でも身につけられるデザインの大きさで0.25~0.3カラット前後のダイヤモンドを購入される方が多いようですが、バブル時代やそれ以前の頃の指輪は1~2カラットと現在の流行よりも大粒なものが好まれていた印象がありますね。
●カラー(Color Grade) 色 |
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ダイヤモンドの色を、23段階のグレードに分けています。
ダイヤモンドというと「無色透明」というイメージがあるかもしれませんが、なかには黄色みがかかっているものもあります。
ダイヤモンドの色は、無色透明~黄色まで「D~Z」までのグレードで判定されています。

無色のダイヤモンドは「D」「E」「F」という判定になり、かなり高品質なものです。ブランドジュエリーは「D」~「H」程度のカラーグレードをもつダイヤモンドを使用することが多いです。
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「D」のダイヤモンド |
「L」以降のダイヤモンド |
うっすらと黄色みがかってくる「L」「N」「M」になると、品質も下がっていきます。
ダイヤモンドには「ピンク」や「ブルー」などのカラーダイヤモンドもありますが、これらはどのように判定されるのですか?
天然のカラーダイヤは、非常に希少なため高値がつきます。
ただし、市場には天然のカラーダイヤに似せた、人工のカラーダイヤも多く出回っており、こちらは天然のカラーダイヤよりも大きく価値が下がります。
天然か人工かの見極めはは非常に困難なため、持ち込まれるタイミングの直前(できれば1週間以内)に発行した鑑定書をお持ちいただきたいですね。
クラリティー(Clarity Glade) 透明度 |
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クラリティーとは、ダイヤモンドの透明度を示したもので、「キズや内包物が目で確認できるかどうか」によって、「FL」~「I 」までの6段階で評価しています。
ダイヤモンドの石のなかには、拡大するとキズや内容物が含まれていることがあります。こうしたキズや内包物がまったく見られないダイヤモンドが、もっとも高品質とされています。

「FL」はキズや内包物がまったくない状態で、最も価値が高いです。
ちなみに「SI」以上であれば、肉眼で見てもキズや内包物は確認できません。
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内包物があるダイヤ |
内包物がないダイヤ |
ブランドジュエリーであれば、「VSクラス」以上のグレードのダイヤモンドを使用することが多いです。
●カット(Cut Grade) 加工技術 |
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カットとは、加工技術を評価したものです。ダイヤモンドはどのような角度でカットするかによって、輝きの度合いが変わり、それを「Excellent」から「Poor」まで5段階で判定しています。

最も輝きが強い「Excellent(エクセレント)」が最高品質とされています。
どのカットグレードでもダイヤモンドの輝きは素晴らしいのですが、婚約指輪など記念のジュエリーでは、「VeryGood(ベリーグッド)」や「Excellent(エクセレント)」が選ばれているようです。
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「Excellent(エクセレント)」のダイヤ |
「Poor(プア)」のダイヤ |
ダイヤモンドのレベルは大きく3つにわかれる
この品質を総合して、どのように査定額が決められるのでしょうか?
4Cのうち、最も価格に影響を与えるのは「カラット(重量)」です。
さらに「カット(加工技術)」「クラリティー(透明度)」などから、「輝きが強い」と評価されたダイヤモンドには高値がつきます。
グレードごとに、いくらくらいの査定額になるか教えていただけませんか?
非常に難しいことですが、ある程度は申し上げられるかもしれません。
これはダイヤモンドを査定してきた私の個人的な見解ですが、4Cのグレードから、ダイヤモンドは大きく3つのレベルにわかれると思います。
- 1. 「生まれ持った美しさを持つジェム」レベル
博物館に寄贈されてもおかしくないほどの、高品質なダイヤモンド。資産価値もあり、一流ブランドでも使われることがごく希な貴重品です。まず市場に出回ることがなく、海外のオークションで天文学的な価格で取引されるようなレベルです。まれに、ハリーウィンストンのような一部のブランドジュエリーで使用されることもあります。
- 2. 「有名海外ブランドで使用されるジュエリー」レベル
博物館級とまではいかなくても、産出された時点から高品質なダイヤモンド。ティファニーをはじめカルティエ、ブルガリ、ヴァンクリーフなどのブランドジュエリーや、ノンブランドジュエリーでも使用されることがあるダイヤモンドで、各宝石店が定めた厳しい基準をパスした高いグレードのダイヤモンドです。フォーマルな場面にも適したダイヤモンドと言えます。ハイグレードな婚約指輪にも用いられています。
- 3. 「ダイヤモンドを身近に感じてもらえるアクセサリー」レベル
「ダイヤモンドを気軽に楽しみたい」という人のために選別されたダイヤモンド。普段使いでも身につけられるような0.2~0.3カラット程度の小さなダイヤや、もっと小さいメレダイヤを使用したデザインジュエリーなど、バリエーションは豊富です。しかし、ジュエリーレベルより品質は劣ります。主にファッションリングや結婚指輪に用いられることが多いです。
それぞれのレベルでいくらくらいの買取価格になるかは以下の通りです。
ダイヤモンドの3つのレベル 0.5カラットで買取価格を比較 |
ダイヤのレベル |
カラー |
クラリティー |
カット |
買取価格の相場 |
1. ジェム |
D |
FL |
Excellent |
12~15万円前後 |
2.ジュエリー |
DEF |
FL~SI |
Excellent~ |
6万円~10万円 |
3. アクセサリー |
G以下 |
SI~I |
VeryGood以下 |
~2万円前後 |
鑑定書は必須
ダイヤモンドの品質を証明するために、鑑定書は必要なのですね?
はい、GIAや中央宝石研究所の鑑定書はダイヤモンドとセットでお持ちください。
また私たちは、品質を見るだけでなく、この鑑定書の内容と持ち込まれたダイヤモンドが合致しているかどうかも確認いたします。
鑑定書がない場合はどうすればいいのでしょうか?
鑑定書がない場合は、日本のダイヤモンド鑑定で最も信頼性が高い中央宝石研究所などで再鑑定し、鑑定書を発行することが可能です。
発行には数千円かかりますが、一般の方でも鑑定してもらうことができます。
また、もしG鑑定書をお持ちでも、2006年4月よりも古い鑑定書をお持ちの方は、査定担当者が改めて、ダイヤグレードをチェックさせていただきます。(2006年4月に基準改定がありました。)
ちなみに「鑑別書」を持ち込まれるお客様がいらっしゃいますが、これは「鑑定書」の代わりにはなりません。「鑑別書」はダイヤモンドであることの証明になりますが、ダイヤモンドの品質までは鑑定しませんから。
鑑定書がない場合、買取りはできませんか?
基本的に買取は可能です。ダイヤモンドの品質によっては、お客様に鑑定書の再発行をお願いする場合もありますが、それはケースバイケースです。
鑑定書がないお客様は、一度大黒屋にご相談ください。